【2026年最新】提案書・企画書の作成をAIで効率化する方法|時間を食うのは「構成」と「材料集め」。過去の提案書から自社の型を作り、下書きまで任せる手順

この記事は、商談や社内会議のたびに提案書・企画書・プレゼン資料をゼロから作り、資料づくりだけで数日つぶれてしまう中小企業の社長・営業担当・企画担当の方の、「作るたびに何から書けばいいか迷う」「AIに頼んでも使える資料にならない」という困りごとを解決するために、私がこれまで400社・4,000人の研修で見てきたことをまとめたものです。

結論:提案書・企画書づくりで時間を食っているのは、スライドの見た目ではなく「構成を考える」「材料を集める」の2つです。過去に通った提案書3〜5本から自社の「構成の型」を1枚にまとめ、商談メモと型をAIに渡して下書きを作らせれば、人がやるのは「相手の課題の言い当て」と「数字・約束の確認」だけになります。毎回くり返す提案書は、商談メモ・顧客情報・型を読み込んで下書きまで作る自社専用の仕組みにし、年に数回の企画書はAIとの対話で構成と抜け漏れを確かめる、と頻度で分けるのがおすすめです。

📌ほかの困りごとも含めた全体像は「AIで業務の困りごとを解決する方法|受講企業に多い10の困りごと別ガイド」で、困りごとに共通する5つのルールと早見表をまとめています。


「資料づくりに時間がかかる」という相談は26件。中身は4つの型に分かれる

ホリエモンAI学校では、受講企業の社員の方に「困りごとリスト」を書いてもらっています。集まった1,705件を似たもの同士でまとめると、「提案書・企画書・プレゼン資料の作成に時間がかかる」は26件で、98種類の困りごとの中で16番目に多いものでした。

26件を一つずつ読み、「どんな資料で、どこに困っているか」で分けると、次の4つになります。

困りごとの型件数実際に書かれていた声(例)
① お客様ごとの提案書・営業資料7件提案資料作成に時間がかかる/顧客要望に合う提案資料をAIで作りたい/提案書や会社案内の質を上げたい/提案資料を自動生成したい
② 企画・戦略資料の「構成」づくり8件企画の構成作成に時間がかかる(3件)/資料構成の抜け漏れが起きる/戦略資料作成に時間がかかる/要件定義を簡略化したい
③ 説明資料・プレゼンのスライド化8件メモからパワポ資料を作りたい/会社らしい資料のドラフトを作りたい/プレゼン資料作成を簡略化したい/説明資料の作成に手間がかかる
④ 比較表・一覧の資料3件商品の比較・相違点を一覧化したい/地図を使った比較資料の作成/ランキング資料を作りたい

出典:ホリエモンAI学校の受講企業が記入した困りごとリスト(1,705件を98種類にまとめた社内集計、2026年10月時点)。分け方は筆者によるものです。

目を引くのは②です。「企画の構成作成に時間がかかる」という同じ言葉が3件、「資料構成の抜け漏れが起きる」も含めると、スライドを作る手間より手前の「何をどの順で書くか」で止まっている相談が多いのです。①の「顧客要望に合う」、③の「会社らしい」も、見た目ではなく中身と型の話です。つまり、スライドを自動で作るツールを入れるだけでは、この困りごとの半分以上は解決しません。


四角と矢印に分解すると、時間が消えているのは「構成」と「材料集め」

私は、困りごとはまず業務をワークフロー(四角と矢印の流れ)に分解してから解決します。商談後に提案書を作る営業担当者なら、おおよそ次のようになります。

#今の作業よくある問題AIと仕組みを入れた後
1商談で聞いた相手の課題をメモするメモが人によってばらばらで、後から読み返せない会議ツールの文字起こしから「相手の課題・予算・時期・決める人」を自動で整理する
2過去の似た提案書を探すフォルダのあちこちにあり、探すだけで時間が過ぎる受注した提案書を1か所に集め、型の元にする
3構成(何をどの順で書くか)を考える毎回ゼロから考え、人によって抜け漏れが出る自社の「構成の型」に沿ってAIが構成案を出す
4実績・料金・導入の流れなどの材料を集める古い料金や数字をそのまま使ってしまう材料は「正しい一覧」1つから引くように決める
5スライドに清書するフォントや色合わせに時間をかけるデザインの型(テンプレート)に流し込む
6上司が確認して差し戻す相手の課題とずれていて作り直しになる人は課題の言い当てと数字・約束だけを確認する
7お客様に送る—送るのは人。中身を読んでから送る

書き出すと、時間の大半は3と4、つまり「構成を考える」「材料を集める」に消えていることが分かります。そして、この2つが毎回ゼロからになる理由は、自社の「勝ちパターン」の構成が誰の頭の中にもバラバラにしかないからです。AIに頼む前に、ここを先に形にします。

📌過去の提案書がフォルダのあちこちにあって見つからない場合は、先に「社内の資料が探しにくい問題をAIで解決する方法」で置き場所と台帳を整えると、型づくりがずっと楽になります。


最初にやるのは「構成の型」と「デザインの型」を1つずつ作ること

AIに「提案書を作って」とだけ頼むと、どこの会社でも言えそうな一般論の資料が出てきます。「AIに頼んでも使える資料にならない」という声の多くはこれです。自社らしい下書きを出させるには、AIに渡す「型」が要ります。作り方は次の3つです。

  1. 受注できた提案書を3〜5本集める:失注したものではなく、通った提案書を選びます。営業担当者が違うものを混ぜると、共通点が見えやすくなります。
  2. 共通する構成を1枚に書き出す:たとえば「表紙→相手の課題(相手の言葉で)→課題が起きている原因→解決策→進め方とスケジュール→費用→実績→次の一歩」のように、ページの順番と、各ページに必ず入れることを書きます。この作業自体もAIに3〜5本を読ませて「共通する構成と、各ページで必ず書かれていること」を出させると早く終わります。
  3. 材料の一覧とデザインの型を決める:料金・実績・導入の流れなど、毎回使う材料は「最新の正しい一覧」を1つだけ用意します。見た目は自社のテンプレートを1つ決めます。

ツールは何を使ってもかまいません。私の考えでは、好きなものでいいと思っています。ChatGPTはPowerPoint形式のファイルを作れますし、Canvaと組み合わせてデザインを組むこともできます。Claudeにも資料を作る機能があり、自社のデザインの型を渡して合わせてもらうこともできます。大事なのはツールの選択ではなく、どのツールにも同じ「構成の型」と「材料の一覧」を渡せる状態にしておくことです。


3つの解決策のどれを使うかは「頻度・判断・派閥」で決める

業務を自動化する方法は、ワークフロー自動化ツール、AIエージェント、コーディングエージェントで自社専用のツールを作る、の3つです。どれを選ぶかは、その作業をどのくらいの頻度でくり返すか、途中で人の判断が要るか、会社がどの会社の道具を使っているか(派閥)で決めます。私の考えでは、AIは判断が必要なときに使うもので、判断の要らない作業はワークフロー自動化ツールで十分です。資料づくりに当てはめると次のようになります。

資料の型頻度と判断向いている解決策
① お客様ごとの提案書商談のたびにくり返す。相手の課題に合わせる判断が要るコーディングエージェントで自社専用の仕組みを作る(商談メモ・顧客情報・構成の型を読み込み、下書きのスライドまで作る)。件数が少ないうちはAIエージェントに毎回頼んでもよい
② 企画・戦略資料の構成年に数回。考える判断そのものが中心AIとの対話(チャット・AIエージェント)で構成案を出させ、「この構成で抜けている観点は?」と抜け漏れを確かめる。仕組み化は不要
③ 説明資料・メモからのスライド化頻度はまちまち。中身はすでにあり、判断は少ない会社の派閥の道具を使う。Microsoft 365の会社ならPowerPointのCopilot、Google Workspaceの会社ならGoogleスライドのGemini、どちらでもなければChatGPT・Claude・Canva
④ 比較表・料金表・一覧元のデータが更新されるたび。判断は要らないワークフロー自動化か、表計算のデータを決まった表に流し込む小さなツール。AIは使わない

④を見落とす会社が多いのですが、商品の比較表や料金表は「元データが正しければ、毎回同じ形に並べるだけ」の作業です。ここにAIを使うと、数字を勝手に言い換えたり丸めたりする危険が増えます。AIに任せるのは、①の「相手の課題に合わせて言葉を選ぶ」ような判断の部分だけにしてください。

📌商談メモそのものを自動で整える方法は「議事録作成をAIで自動化する方法|会議後の「清書・共有・ToDo」まで減らす手順」へ。提案書の下書きの材料は、この議事録から取るのが一番の近道です。


公開事例:提案書づくりにAIを使った会社は、どこを自動にしたか

他社の公開事例を2つ紹介します。どちらも大企業の取り組みで、当社の受講企業の事例ではありません。

公開事例1:KDDIアジャイル開発センター 営業の議事録や日報を書く負担が大きく、営業の知見が個人に閉じていたことから、議事録の作成、提案の骨子づくり(社内の商材や競合製品を調べて比べる)、日報・週報の作成をまとめて行う自社専用の営業支援ツールを作りました。評価では、議事録と提案書の作成時間を最大1時間短縮できたとしています。プレゼン資料そのものの作成は今後の展望とされています。(出典:AWS公式ブログ、2024年9月6日)

公開事例2:テプコカスタマーサービス×NTTデータ 熟練の営業担当者でも1件の商談に約2時間半かかり、提案の中身が人によってばらつくことが課題でした。検証では、お客様の状況によって変わる効果の計算は個別の計算ロジックで行い、標準的な部分を生成AIで作る形にして、グラフや表を含む22ページの提案書を自動で作れることを確かめています。社内での実用性の評価で、お客様への実際の提案には使っていない段階です。(出典:NTTデータ ニュースリリース、2025年5月26日)

2つに共通するのは、「AIに全部書かせる」のではなく、決まった部分(構成・計算・材料)を先に固め、相手に合わせる部分だけをAIに任せていることです。中小企業でも考え方は同じで、規模が小さいぶん、型を1つ作れば全員がすぐ使えます。


AIで提案書を作るときの落とし穴3つ

  1. AIが実績や数字を作ってしまう:「導入実績〇社」「〇%削減」のような数字を、それらしく書き足すことがあります。数字・料金・実績は「材料の一覧」からだけ引くように指示し、人が必ず一覧と照らし合わせてください。
  2. お客様の情報を個人のアカウントに入れてしまう:商談メモや過去の提案書には、お客様の社名や金額が入っています。会社が契約したアカウントで、社内ルールで入れてよいと決めた範囲だけを使ってください。
  3. 見た目の調整に時間を使ってしまう:AIがスライドを作れるようになると、色や配置の手直しに時間を使いがちです。見た目はテンプレートに任せ、人の時間は「相手の課題の言い当て」に使います。

📌同じ「材料集め→下書き→確認」の考え方で、社内向けの報告書を減らす方法は「報告書・レポートの作成をAIで効率化する方法」で解説しています。


明日から始める4ステップ

ステップやること目安
1. 集める受注できた提案書を3〜5本、1つのフォルダに集める30分
2. 型にするAIに3〜5本を読ませて共通する構成を出させ、自社の「構成の型」と「材料の一覧」を1枚にまとめる1〜2時間
3. 試す次の商談1件で、商談メモと型をAIに渡して下書きを作らせ、自分で直した時間を測る1週間
4. 仕組みにする毎回くり返していて、貼り付けて頼む手間そのものが重いと分かったら、商談メモ・顧客情報・型を読み込んで下書きまで作る自社専用の仕組みにする1〜2か月

営業部での商談前後の作業全体(下調べ・お礼メール・見積・営業リスト)の減らし方は「ChatGPTの営業での活用|商談前後の作業の減らし方」で解説しています。この記事は、その中の「提案書・資料づくり」だけを深掘りしたものです。


提案書・企画書の作成効率化についてよくある質問

AIが作った提案書を、そのままお客様に出してもいいですか?

下書きとして使い、必ず人が読んで直してから出してください。AIは、商談で話していない条件や、根拠のない実績・数字を書き足すことがあります。特に費用・納期・実績の数字は、材料の一覧と照らし合わせてから送ってください。

過去の提案書をAIに読ませても大丈夫ですか?

会社が契約した法人向けのアカウントで、社内ルールで入れてよいと決めた範囲なら問題ありません。お客様の社名や金額が入っているので、社員の個人アカウントには入れないでください。型を作るだけなら、社名や金額を伏せた版を読ませる方法もあります。

パワーポイントのデザインまでAIに任せられますか?

ある程度は任せられます。PowerPointのCopilotやGoogleスライドのGemini、ChatGPT・Claude・Canvaなどで、スライドの形まで作れます。ただ、毎回デザインを作らせるより、自社のテンプレートを1つ決めて流し込むほうが、会社らしさがそろい、手直しの時間も減ります。


まとめ:見た目より先に「構成の型」を作り、AIには相手に合わせる部分だけを任せる

提案書・企画書づくりで時間を食っているのは、スライドの見た目ではなく、構成を考えることと材料を集めることです。受注できた提案書から自社の「構成の型」と「材料の一覧」を作り、商談メモと一緒にAIに渡せば、下書きまでは任せられます。毎回くり返す提案書は自社専用の仕組みに、年に数回の企画書はAIとの対話に、比較表や料金表はAIを使わない自動化に、と頻度と判断の要否で分けてください。

「営業担当者ごとに提案書の質がばらばら」「資料づくりに追われて商談の数が増やせない」という状況なら、今の提案書づくりの流れを一緒に四角と矢印に書き出し、型づくりと、どこを仕組みにするかを決めるところから進められます。今お使いのツールの機能で足りる場合は、その旨を正直にお伝えします。

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