【2026年最新】報告書・レポートの作成をAIで効率化する方法|「材料集め・下書き・差し戻し」に分けて、人は所見だけを書く手順

この記事は、月次の活動報告書や顧客向けの作業報告書、出張報告などを毎回ほぼ一から書き、材料集めと上司の差し戻しに半日以上取られている中小企業の社長・管理職・担当者の、「報告書づくりに追われて、報告する中身の仕事が進まない」という困りごとを解決するために、私がこれまで400社・4,000人の研修で見てきたことをまとめたものです。

結論:報告書・レポートの作成時間は、「材料を集める→構成を決める→下書きする→数字と事実を確かめる→体裁を整える→確認・差し戻し→提出する」の7つの作業に分けて減らします。材料集め・体裁・提出は自動化し、事実を並べる下書きはAIに任せ、人は「所見・判断・次にやること」だけを書きます。最初にやることは、読み手ごとに報告書の型を1枚決め、過去のよくできた報告書を見本としてAIに渡すことです。文章を書く速さを上げるより、書く前と書いた後の手間を減らす方が、時間は大きく減ります。

📌ほかの困りごとも含めた全体像は「AIで業務の困りごとを解決する方法|受講企業に多い10の困りごと別ガイド」で、10の困りごとに共通する5つのルールと早見表をまとめています。


「報告書・レポートの作成」は受講企業の困りごとで10番目に多い

ホリエモンAI学校では、受講企業の社員の方に「困りごとリスト」を書いてもらっています。集まった1,705件を似たもの同士でまとめると、「報告書・レポートの作成に時間がかかる」は27件で、98種類の困りごとの中で10番目に多いものでした。

27件を一つずつ読み、私たちが中身で分けると次のようになります。

困りごとの中身件数実際に書かれていた声(例)
報告書・レポートを書くこと自体に時間がかかる7件報告書の作成に手間がかかる/報告資料作成を自動化したい/報告要約の作成に手間がかかる/ワンクリックでレポートを出したい
数字やデータを、報告の形にするのに時間がかかる8件アクセス集計・報告を自動化したい/広告データからレポートを自動生成したい/SNSレポートから報告書を作成したい/数値取得・資料化に時間がかかる
決まった書式の書類・帳票に入れるのが手間8件点検伝票をメーカーのシステムへ入力するのが面倒/Wordの書式ズレの修正が面倒/指示書の作成に時間がかかる/評価表・カルテの作成に手間がかかる
複数の人の報告を集める・送る・確かめるのが手間4件出張報告を集約したい/月間報告レポートの送信・確認が手間/写真撮影・送信・確認の作業を効率化したい

出典:ホリエモンAI学校の受講企業が記入した困りごとリスト(1,705件を98種類にまとめた社内集計、2026年10月時点)。分け方は筆者によるものです。

「文章を書くこと」そのものの悩みは27件のうち7件だけです。残りの20件は、数字を報告の形にする、決まった書式に入れる、人の報告を集めて送るといった、書く前後の作業でした。報告書の時間を減らしたいときに、文章を速く書く方法だけを探しても解決しにくいのはこのためです。


報告書を四角と矢印に分解すると、重いのは「書く」の前後

私は、業務をワークフロー(四角と矢印の流れ)に分解してしまえば、自動化できない業務はないと考えています。報告書も同じで、まず今の作り方を書き出します。営業部が毎月、社長・役員向けに活動報告書を出している会社なら、おおよそ次の流れになります。

#作業よくある手作業向いている解決策
1材料を集める販売管理の数字、日報、商談メモ、議事録を、あちこちのフォルダやシステムから探して開くワークフロー自動化(決まった日に、材料を1か所へ自動で集める)
2構成を決める先月の報告書を開き、見出しを真似して書き始める読み手ごとの「型」を1枚決めておく(決めごと)
3下書きする白紙から、やったこと・結果・数字の説明を文章にするAI(型と材料を渡して、事実を並べた下書きを作らせる)
4数字と事実を確かめる数字の写し間違い、前月比の計算、固有名詞の誤りを目で探す計算はExcelかプログラム。AIには本文の数字と元データの照合だけをさせる
5体裁を整えるWordの書式ズレや表の崩れを直し、PDFにする型に流し込む仕組み(ワークフロー自動化、または自社専用ツール)
6確認・差し戻し上司が赤を入れ、書き直して再提出するAI(過去の指摘をまとめたチェックリストで、提出前に点検させる)
7提出・送付するメールに添付して送る、顧客ごとに宛先を変えて送るワークフロー自動化(承認されたら決まった宛先へ自動で送る)

書き出すと、人でなければできない作業は、3の中の「所見・判断・次にやること」と、6の最終確認だけだと分かります。それ以外の作業に時間の大半を使っているのが、報告書に追われている会社の実態です。


最初にやること:読み手ごとに「報告書の型」を1枚決める

報告書は、読む人によって必要な中身が変わります。同じ月の同じ仕事でも、社長に出す報告と、お客様に出す報告と、本社や役所に出す報告では、書くべきことが違います。毎回迷いながら書くので、時間がかかり、差し戻しも起きます。

読み手読み手が知りたいこと型に入れておく見出しの例
社長・役員結論、数字の変化とその理由、判断してほしいこと今月の結論(3行)/主要な数字と前月比/うまくいったこと・いかなかったことの理由/判断してほしいこと
お客様やってもらったこと、その結果、次に何をするか作業内容と日時/結果(写真・数値)/気づいた点/次回のご提案
本社・役所・取引先の決まった書式決められた項目が漏れなく、正しく埋まっていること指定の書式そのもの(項目名を変えない)

型を作るときは、見出しと、見出しごとに「何を・どのくらい書くか」「どの材料を使うか」を1枚にまとめます。あわせて、過去の報告書の中から「これはよく書けている」と上司が認めたものを2〜3本選んでおきます。AIに下書きを頼むときは、この型と見本と今月の材料をまとめて渡します。見本があると、言い回しや詳しさが自社の報告書に近づき、書き直しが減ります。

型を作る段階で、誰も読んでいない見出しは消してください。「前からある項目だから」という理由だけで残っている欄を埋める時間は、AIで速くするより、なくす方が早く減ります。


AIに書かせるのは「事実」まで、所見と判断は人が書く

報告書をAIに丸ごと書かせると、それらしい分析や反省の文章まで作られます。しかし、報告書を読む人が知りたいのは、その仕事をした本人や責任者が何を見て、どう判断し、次に何をするかです。そこをAIの作文で埋めると、読んでも判断の材料にならない報告書になります。

そこで、型の中に「所見:担当者が記入」のような欄をあらかじめ作り、AIには事実の部分(やったこと、結果、数字の説明)だけを下書きさせます。人はその下書きを読んで、所見・判断・次にやることを数行書き足します。白紙から書くのではなく、事実が並んだ状態から考えを書くだけなので、書く時間は短くなり、中身はむしろ濃くなります。

数字には特に注意が必要です。AIは、表の数字を読み違えたり、計算を間違えたりすることがあります。前月比や合計などの計算はExcelやプログラムでやり、AIには「本文に書いた数字が、元の表の数字と一致しているか」を照合させる使い方にします。

📌数字の集計そのものを自動化し、AIに計算させない方法は「データ集計・実績表づくりをAIで自動化する方法|月末の「集める・そろえる・まとめる」を減らす6つの分解」へ


差し戻しを減らす:提出前にAIに「上司の目」で読ませる

報告書の時間を延ばしているもう一つの原因は、差し戻しです。書いた本人は一度で終わったつもりでも、上司から「結論はどこ?」「この数字は何と比べて多いの?」と戻され、書き直しにまた時間を取られます。

差し戻しで言われることは、たいてい毎回似ています。過去の赤字や指摘を集めて、次のようなチェックリストにしておき、提出前にAIに報告書とチェックリストを渡して点検させます。

  • 結論が最初の3行に書かれているか
  • 数字に、比べる相手(前月・前年・目標)が書かれているか
  • お客様名・商品名・日付に誤りがないか(元の資料と照合する)
  • 次にやることに、担当者と期限が書かれているか
  • 読み手に判断してほしいことが、はっきり書かれているか

AIの点検で直せるところを直してから提出すれば、上司は中身の判断に時間を使えます。チェックリストは、新しい指摘が出るたびに1行ずつ足していきます。


3つの解決策のどれを使うかは「頻度・判断・派閥」で決める

ホリエモンAI学校では、業務を効率化する方法を、ワークフロー自動化、AIエージェントに任せる、コーディングエージェントで自社専用ツールを作る、の3つに分けて考えます。どれを使うかを決めるとき、私が見るのは3つです。

  • 頻度:一度しかやらない作業なら、AIエージェントに一回やってもらえば足ります。毎月くり返す作業なら、ワークフロー自動化かツールづくりを考えます。
  • 判断の要否:AIは、判断が必要なところで使うものです。材料を集める、決まった書式に流し込む、決まった宛先に送る、といった判断の要らない作業は、AIを使わずに普通の自動化で十分です。
  • 派閥:その会社が普段使っているツールが、Microsoft、Google、ChatGPT、Claudeのどれかで、使う道具が変わります。Microsoftの会社ならPower Automate、それ以外ならZapierやn8nなどが候補になります。

報告書に当てはめると、次のようになります。

報告書の例頻度・判断向いている解決策
年に一度の調査レポート、一度きりの出張報告一度きり。材料の読み込みと構成に判断が要るAIエージェント(材料のファイルと型を渡して、下書きまで作らせる)
お客様ごとに毎月出す作業報告書・月次レポート毎月くり返す。材料集め・流し込み・送付は判断不要、所見だけ判断が要るワークフロー自動化で材料集め・流し込み・送付を自動にし、事実の下書きだけAI、所見は人
現場から写真とひと言で上げる業務報告、いくつものシステムの数字をまとめる社内報告毎日〜毎週。入力の手間が大きい、または既存の道具ではつなぎにくいコーディングエージェントで自社専用の報告ツールを作る

📌3つの解決策の違いを、会議のあとの作業を例に詳しく解説しています。「議事録作成をAIで自動化する方法|文字起こしで終わらせない、会議後の「清書・共有・ToDo」まで減らす手順」へ


現場の報告は「机に戻らなくていい」形にする

現場や外回りの多い会社では、報告書の一番の負担は書く時間ではなく、報告書を書くために事務所に戻り、パソコンの前に座らなければならないことです。困りごとリストにも「写真撮影・送信・確認の作業を効率化したい」「点検伝票をメーカーのシステムへ入力するのが面倒」といった声がありました。

Claude Codeで自社専用のツールを作る研修では、受講者に今困っている作業を5つほど書き出してもらい、その中から1つを選んで一緒に自動化します。そこでよく作られるのが、机に向かってやらなければならなかった業務報告を、スマホに話すだけで済むようにするツールです。現場で写真を撮り、やったことを話せば、AIが文字に起こして報告書の型に並べ、事務所にいる人は確認するだけになります。

毎日の作業記録を音声で残す方法や、集まった記録をAIに先に読ませる方法は、日報の記事で詳しく書いています。月報や顧客向けの報告書は、こうして毎日残した記録を材料にすると、月末にまとめて思い出しながら書く必要がなくなります。

📌毎日の記録を「話すだけ」にし、上司が読む手間も減らす方法は「日報・作業記録の入力をAIで減らす方法|「書く手間」と「読まれない日報」を分けて解決する」へ


公開事例:文書作成の時間を減らした自治体の例

報告書を含む文書作成に生成AIを使い、効果を測った例として、三重県志摩市の公開資料があります。以下は他の組織の公開事例で、ホリエモンAI学校の受講企業の事例ではありません。

  • 志摩市(公開事例・全職員への生成AI導入):Google Workspaceのアカウントを使う職員445名を対象に、生成AI(Gemini)を導入して効果を測定。1人あたり、文書作成が週20.4分、資料の要約が週11.9分、情報検索・調査が週21.2分短くなり、令和7年度は年間推計4万時間の業務時間削減効果が確認されたと公表されています(出典:志摩市 ニュースリリース「生成AI導入で年間4万時間を創出」、2026年3月26日)。

これは、一人ひとりが普段の文書作成にAIを使ったときの目安です。報告書のように毎月同じ形をくり返す文書では、この記事で書いたように型と材料の入口まで整えると、人が手で書く部分そのものを減らせます。


報告書・レポートの作成についてよくある質問

報告書をAIに丸ごと書かせてもいいですか?

おすすめしません。やったことや数字の説明といった事実の部分はAIに下書きさせて構いませんが、所見・判断・次にやることは、仕事をした本人や責任者が書いてください。そこまでAIに作文させると、誰が書いても同じような報告書になり、読む人の判断材料になりません。

顧客名や売上が入った報告書を、AIに読ませても大丈夫ですか?

会社で契約した法人向けのプランを使い、入力した内容がAIの学習に使われない設定になっているかを確かめてから使ってください。個人のアカウントで社外秘の数字や顧客名を扱うのは避け、何を入れてよいかを社内ルールで決めておくと安心です。設定の確かめ方は「ChatGPTの情報漏えい対策」で解説しています。

報告書の効率化は、まず何から始めればいいですか?

一番時間がかかっている報告書を1つ選び、今の作り方を「材料集め・構成・下書き・確認・体裁・差し戻し・提出」の7つに書き出してください。そのうえで、読み手向けの型を1枚作り、過去のよくできた報告書を2〜3本そろえます。ここまでできれば、AIに下書きを頼む使い方はその日から始められます。


まとめ:報告書は「速く書く」より「書く前後」を減らす

報告書・レポートの作成に時間がかかる会社の多くは、文章を書く時間ではなく、材料集め、体裁、差し戻し、送付といった書く前後の作業に時間を取られています。業務を7つの作業に分け、判断の要らない作業は自動化し、事実の下書きはAIに任せ、所見と判断だけを人が書く形にすると、報告書は短い時間で、中身の濃いものに変わります。

「毎月の報告書づくりで月初の数日がつぶれている」「現場の社員が報告書のために事務所へ戻っている」という状況なら、今の報告書の流れを一緒に書き出し、どこを自動にし、どこをAIに任せ、何を人が書くかを決めるところから進められます。型を決める、読まれていない項目を消す、といった決めごとの見直しだけで解決できる場合は、その旨を正直にお伝えします。

▶ ホリエモンAI学校の法人プランを見る

◤ 法人向け無料相談はこちら ◢