【2026年最新】助成金対象のAI研修の選び方|「助成金対象」の表示より先にカリキュラムで確かめる6つのポイント

この記事は、リスキリングの助成金を使って社員にAI研修を受けさせたい中小企業の社長・研修担当者の、「『助成金対象』と書かれたAI研修がたくさんあって、どれを選べば助成金も受けられて、仕事も変わるのか分からない」という困りごとを解決するために、私がこれまで助成金を使った研修のお手伝いで見てきたことをまとめたものです。

📌AI研修の助成金の全体像(対象確認・研修選び・金額・日程・社労士・申請の6つの順番)は「AI研修の助成金 完全ガイド」にまとめています。

結論:助成金対象のAI研修は、パンフレットの「助成金対象」の表示ではなく、カリキュラムと見積書を見て、①自社の誰の、どの業務を変える研修かを書けるか、②汎用的なプロンプトの作り方だけで終わっていないか、③形式と時間が助成金の条件を満たすか、④受講の記録を研修会社が出せるか、⑤研修後に業務へ落とし込む支援があるか、⑥計画届の締め切りに間に合う開始日か、の6点で選びます。令和8年8月3日以降に出す計画届からは、生成AIを使うための汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ研修は助成対象外と示されているため、特に①と②が分かれ目になります。

対象になる助成金は、厚生労働省の「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」です。中小企業なら研修経費の75%が助成されますが、選ぶ研修を間違えると、助成金が出ないか、出ても仕事が何も変わらないという結果になります。この記事では、研修を選ぶ段階で確かめる6つのポイントと、研修会社にそのまま送れる確認の質問を紹介します。制度の内容は、同コースの支給要領(令和8年8月3日版)と労働局の資料「令和8年8月3日からの変更点」をもとにしています。


「助成金が使えるか」から研修を選ぶと、なぜ失敗するのか

研修費の75%が戻ると聞くと、多くの会社が「助成金の対象かどうか」を一番の基準にして研修を選びます。ですが、助成金で戻るのは研修費の一部だけです。残りの自己負担に加えて、社員が研修を受けている時間の給料も会社が払っています。研修を受けても仕事が変わらなければ、助成金が出たとしても会社にとっては損です。

私は、AI研修の目的はAIツールの使い方を覚えることではなく、業務を改善して時間を減らし、コストを下げ、売上を上げることだと考えています。ホリエモンAI学校は、AIの専門家がAIを教える学校というより、ビジネスの側から会社のDX(業務の流れを変えること)を手伝う会社です。この立場から見ると、研修選びの順番は「何の業務を変えたいか → それを変えられる研修はどれか → その研修は助成金の条件を満たすか」です。助成金は最後に確かめる条件であって、研修を選ぶ理由ではありません。

一方で、助成金を使うと決めている会社には、私は「この制度には期限が設けられているので、なるべく早めに受講計画を立てましょう」とお伝えしています。期限内に計画届を出すには研修の中身が決まっている必要があるので、結局は「何の業務を変えるか」を早く決めることが、助成金を確実に使う近道にもなります。制度の終了時期は改正されることがあるため、最新の情報は厚生労働省のページで確認してください。


令和8年8月3日から、「汎用的なAI研修」は助成金の対象外になった

研修選びが以前より大事になったのは、制度の扱いが変わったからです。労働局の資料「令和8年8月3日からの変更点」では、職務に間接的に必要な知識や、職種を問わず職業人として共通に必要な内容の訓練は助成対象外とされ、AI研修について次のような例が示されています。

区分労働局の資料に示された例
対象外生成AIを利用するために汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練
対象外DXの概念、デジタル技術の概要を学ぶ訓練
対象生成AIを活用して商品提案書の構成案作成、文章生成、修正方法を学ぶ営業担当者向けの訓練
出典:労働局「令和8年8月3日からの変更点」(人材開発支援助成金 事業展開等リスキリング支援コース)

違いは、「誰の、どの業務に使うのか」が研修の中身に入っているかどうかです。「全社員向けChatGPT入門」「生成AIの基礎とプロンプトのコツ」のような研修は、内容がよくても、これからは対象になりにくいと考えてください。この基準は計画届を出した日で判断されるため、すでに検討中の研修も、計画届がこれからなら新しい扱いで確認が必要です。

📌詳しくは「【2026年最新】AI研修の助成金が不支給・減額になる10の失敗例|時期別の防ぎ方と途中で気づいたときの立て直し方」へ(汎用的な研修を選んだ場合を含め、不支給・減額になるパターンと防ぎ方)


助成金対象のAI研修を見分ける6つのポイント

研修会社から届いたカリキュラムと見積書を手元に置いて、次の6つを順に確かめてください。どこを見ればよいか、分からないときに研修会社へ何を聞けばよいかも並べました。

ポイントカリキュラム・見積書で見るところ分からないときに聞くこと
① 誰の、どの業務を変える研修か受講者の職種・部署と、変える業務の名前が書いてあるか「計画届の訓練の目的に、どの業務名を書く想定ですか?」
② 汎用講座で終わっていないか各回のテーマに業務の名前が出てくるか。「基礎」「概要」だけの回が大半になっていないか「プロンプトの基礎以外に、業務に使う回は何時間ありますか?」
③ 形式と時間ライブ・集合・eラーニング・定額制のどれか。合計時間(標準学習時間)「支給要領のどの実施方法として計画届を出しますか?」
④ 受講の記録出席の記録やLMS(受講管理システム)の記録を出せるか「支給申請に使う受講記録は、誰がどの形式で出しますか?」
⑤ 研修後の支援研修が終わった後に質問・相談できる期間と方法「研修後、業務に使えずに止まったら誰に相談できますか?」
⑥ 開始日研修開始日が、計画届の締め切り(開始日の1か月前)に間に合うか「計画届の書類づくりは、どこまで手伝ってもらえますか?」

① 誰の、どの業務を変える研修かを書けるか

一番大事なのがここです。研修会社が決めてくれるものではなく、会社の側で先に決めておく必要があります。私たちの研修では、受講者にまず自分の仕事を四角と矢印で書き出してもらい、その中から面倒な作業や変えたい作業を5つ挙げてもらいます。私たちと受講企業の間ではこれを「困りごとリスト」として共有していて、全社合わせて2,700行ほどになりました。製造業でも介護でも、業種に関係なく、この書き出しから始めます。

この書き出しがあると、「営業担当者の見積書づくりを自動化する」「総務の勤怠集計を自動化する」のように、受講者と業務を結びつけた目的を計画に書けます。研修会社を選ぶ前に、受講させたい社員1人につき困りごとを1つでも書いておくと、①はほぼ解決します。

② 汎用的なプロンプト講座で終わっていないか

カリキュラムを見て、各回のテーマに「見積書」「議事録」「請求書」「日報」のような業務の名前が出てくるかを確かめます。「プロンプトの基本」「生成AIの仕組み」「DXとは」のような回だけで構成されている研修は、上の表の対象外の例に近くなります。

基礎の回があること自体は問題ありません。大事なのは、基礎を学んだ後に、受講者の業務に使う回がきちんと続いているかです。私たちの法人研修でも、会社が使っているツール(Microsoft・Google・ChatGPT・Claude)に合わせた基礎から入り、ワークフロー自動化、AIエージェントやコーディングへと進み、最後は困りごとリストから選んだ業務を実際に自動化するところまでを1つの計画にしています。

③ 形式と時間が、助成金の条件を満たすか

助成金の条件は研修の形式によって違います。講師とその場でやりとりするライブ研修・集合研修は実訓練時間10時間以上で、受講者ごとに8割以上の出席が必要です。eラーニングは標準学習時間10時間以上または標準学習期間1か月以上で、期間内に修了することが必要です。定額制(サブスク型)は修了した講座が10時間以上で、実施期間は1年以内です。数時間で終わるセミナー形式のAI研修は、内容がよくてもこの時間に届きません。

📌詳しくは「【2026年最新】オンライン研修・eラーニングは助成金の対象?ライブ・eラーニング・定額制の条件の違いと残すべき受講記録」へ(形式ごとの条件と、残しておく受講記録の違い)

④ 受講の記録を研修会社が出せるか

助成金は、研修が終わった後に「誰が何時間受けたか」を書類で示して初めて受け取れます。ライブ研修なら研修日ごとの出席と受講時間、eラーニングならLMSの記録と修了証が必要です。研修会社がこれらを出せないと、受講していても支給申請で困ります。契約前に、記録をどの形で出してもらえるかを確かめてください。

⑤ 研修が終わった後に、業務へ落とし込む支援があるか

助成金は研修の費用に出ますが、仕事が変わるかどうかは研修の後で決まります。研修で学んだことを自社の業務に当てはめようとすると、ほぼ必ずどこかで手が止まります。そのときに相談できる相手がいるかどうかが、成果の差になります。

ホリエモンAI学校を選んだ理由として、受講企業からよく言われるのが「毎月の面談で伴走してくれるところが、ほかになかった」ということです。講義動画やeラーニングで教えるだけの研修とは違い、毎月の面談で、その会社がやりたいことに対して「こうすればいい」「この講義を見ればいい」と具体的にお伝えしています。研修会社を比べるときは、研修期間の長さだけでなく、研修後に誰に、どの方法で相談できるかを確かめてください。

⑥ 開始日が、計画届の締め切りに間に合うか

計画届は、研修開始日の6か月前から1か月前までに出す必要があります。研修の中身と開始日が決まらないと、計画届は書けません。「よい研修が見つかったので来週から始めたい」という場合、助成金は使えません。研修会社を選ぶ時点で、開始日を締め切りから逆算して決めておきましょう。

📌詳しくは「【2026年最新】AI研修の助成金の条件チェックリスト|契約前に確かめる会社・社員・研修・時期の15項目」へ(会社・社員の条件も含めて、契約前に確かめる15項目)


研修会社にそのまま送れる、確認の質問5つ

候補の研修会社には、次の5つをメールでそのまま送ってください。同じ質問を複数の会社に送れば、答えを並べて比べられます。答えがあいまいな会社は、助成金の手続きや研修後の支援でも同じようにあいまいになりやすいと考えてよいと思います。

  1. 令和8年8月3日以降の計画届として、この研修の訓練目的にはどの職種のどの業務を書く想定ですか?
  2. カリキュラムのうち、受講者の業務に使う内容は何時間ですか?汎用的なプロンプトや生成AIの概要の時間はどのくらいですか?
  3. 支給要領のどの実施方法(ライブ・集合・eラーニング・定額制)として計画届を出しますか?合計の実訓練時間(標準学習時間)は何時間ですか?
  4. 支給申請に必要な受講記録(出席・受講時間、LMSの記録、修了証)は、どの形で出してもらえますか?
  5. 研修が終わった後、業務に使えずに止まったときは、いつまで、どの方法で相談できますか?

費用の総額と自己負担がいくらになるかは、見積書が届いてから計算できます。計算の仕方は別の記事にまとめています。

📌詳しくは「【2026年最新】AI研修の助成金はいくら?経費助成75%と上限額・賃金助成の計算方法|自己負担の出し方を3ステップで解説」へ(見積書から自己負担額を出す3ステップ)


「助成金対象」でも選ばない方がよい研修

次のような研修は、「助成金対象」と書かれていても、契約の前に立ち止まってください。

  • 「実質無料」「キャッシュバックあり」をうたう研修:研修会社から会社へお金が戻る仕組みは、会社が研修費を全額負担したことにならず、経費助成が出ません。不正受給と判断されるおそれもあります。
  • 受講者が誰でも同じ内容の研修:営業も経理も現場も同じカリキュラムの場合、それぞれの職務にどう直結するのかを説明しにくくなります。部署ごとに使う業務を決められるかを確かめてください。
  • 研修期間中の質問先がない研修:講義を流すだけで、受講中に質問できない研修は、ライブ研修の形をとっていても条件に当たらないことがあります。社員が途中でつまずいたまま終わる原因にもなります。

反対に、自社で業務の書き出しまで済んでいて、社内にAIを使える人がいる会社なら、外部の研修に頼らず社内で進めた方がよい場合もあります。助成金があるからといって、必要のない研修を受ける必要はありません。


助成金対象のAI研修の選び方に関するよくある質問

ChatGPTの使い方を学ぶ研修は、助成金の対象になりますか?

令和8年8月3日以降に計画届を出す場合、生成AIを使うための汎用的なプロンプトの作り方を学ぶだけの研修は、助成対象外と示されています。営業担当者が提案書づくりに使う、経理担当者が仕訳の確認に使うなど、受講者の業務に直結する内容にすれば対象になり得ます。

「助成金対象」と書かれた研修なら、必ず助成金が出ますか?

必ずではありません。研修会社の表示は「条件を満たせば使える」という意味で、実際に出るかどうかは、計画届の期限、受講者の雇用保険、出席や修了の記録、会社が費用を全額負担したかなどで決まります。研修の中身が受講者の業務に直結しているかも、会社の側で説明できる必要があります。

社員全員に同じAI研修を受けさせても、助成金の対象になりますか?

研修の中身が、それぞれの受講者の職務に直結していると説明できるかがポイントです。部署ごとに使う業務が違うなら、共通の基礎の後に部署ごとの業務に使う内容を入れるなど、受講者と業務を結びつけておくと安心です。判断に迷う場合は、計画届を出す前に管轄の労働局に確認してください。

※助成金の要件・助成率・様式は改正されることがあります。最新の内容は厚生労働省の人材開発支援助成金のページ、または管轄の都道府県労働局でご確認ください。


まとめ:助成金対象のAI研修は「どの業務を変えるか」を先に決めて選ぶ

助成金対象のAI研修は、「助成金対象」の表示で選ぶのではなく、自社の誰のどの業務を変える研修かを先に決め、カリキュラムと見積書で6つのポイントを確かめて選びます。令和8年8月3日以降は、汎用的なプロンプト講座だけでは対象外と示されているため、業務と結びついた研修を選ぶことが、助成金を受けるためにも、仕事を変えるためにも欠かせません。まずは受講させたい社員ごとに、変えたい業務を1つずつ書き出すところから始めてください。

「候補の研修が助成金の対象になるか判断がつかない」「変えたい業務をどう書き出せばよいか分からない」という場合は、無料相談で状況をお聞かせください。助成金を使わない方がよい場合や、自社で進められる場合も、その旨を正直にお伝えします。

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