【2026年最新】AI研修の助成金が不支給・減額になる10の失敗例|時期別の防ぎ方と途中で気づいたときの立て直し方

この記事は、社員にAI研修を受けさせて助成金を使おうとしている中小企業の社長・総務担当者の、「せっかく手続きをしたのに、不支給や減額になったらどうしよう」という不安を解決するために、私がこれまで助成金を使った研修のお手伝いで見てきたことをまとめたものです。

📌AI研修の助成金の全体像(対象確認・研修選び・金額・日程・社労士・申請の6つの順番)は「AI研修の助成金 完全ガイド」にまとめています。

結論:AI研修の助成金(人材開発支援助成金 事業展開等リスキリング支援コース)が不支給・減額になる原因は、ほとんどが「研修の選び方」「期限」「受講の記録」「費用の負担」の4つに集まります。具体的には、①業務と結びつかない汎用的な研修を選ぶ、②計画届を研修開始日の1か月前までに出せない、③ライブ研修で出席が実訓練時間の8割に届かない・eラーニングを期間内に修了しない、④研修会社からのキャッシュバックなどで会社が費用を全額負担していない、⑤研修終了日の翌日から2か月以内に支給申請しない、のどれかです。どれも、研修を始める前と受講中に手を打てば防げます。

この記事では、失敗が起きる時期ごとに10の失敗例を並べ、それぞれ「何が起きるか」「どう防ぐか」「途中で気づいたらどう立て直すか」を書きました。条件や数字は、厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」の支給要領(令和8年8月3日版)と、労働局が出している資料をもとにしています。


私たちのお手伝いでは、不支給は0件、減額は2件でした

ホリエモンAI学校では、これまで約300〜350件の助成金申請を、顧問の社労士と一緒にお手伝いしてきました。その中で、不支給になった会社は1社もありません。減額になったのは2件で、どちらも研修の途中で社員の方が退職し、その方が受講しなかった分が出なかったというケースです。このほか、社労士との面談の段階で、制度上対象外の業種だと分かってお断りした会社が1社ありました。

この経験から私がお伝えしたいのは、助成金は「審査に落ちる」ものというより、「決められた手順や期限を外したときに出なくなる」ものだということです。裏を返せば、どこで外しやすいかを先に知っておけば、ほとんどの失敗は避けられます。

なお、「不支給」は申請した助成金が全く出ないこと、「減額」は一部の社員や一部の費用の分だけ出ないことです。下の10の失敗例でも、どちらになるかを分けて書いています。


AI研修の助成金が不支給・減額になる10の失敗例(時期別の一覧)

まず全体像です。研修会社と契約する前、計画届を出すとき、受講中、支給申請のときの4つの時期に分けました。担当者の方は、自社が今どの時期にいるかを確かめてから、その行を読んでください。

時期失敗例起きること防ぎ方
契約前① 業務に結びつかない汎用的な研修を選ぶ研修そのものが対象外どの業務をどう変える研修かを計画に書ける研修を選ぶ
契約前② 社員に受講料の一部を負担させる・個人名義で申し込ませる経費助成が出ない(賃金助成も出ない場合あり)最初から会社名義で申し込み、会社が全額払う
契約前③ 研修会社からキャッシュバック・協力金・謝礼を受け取る経費助成が出ない。不正受給になることも「実質無料」の提案は断り、労働局に相談する
計画届④ 研修開始日の1か月前までに計画届を出せないその研修は対象外開始日から逆算して締め切りを先に決める
計画届⑤ 労働局からの補正(書類の直し)に期限内に応じないその計画届の助成金が出ない担当者を決め、連絡にすぐ対応できる体制にする
受講中⑥ ライブ・集合研修で出席が実訓練時間の8割に届かないその社員の分が出ない研修日を上司が先に予定に入れ、欠席は早めに把握する
受講中⑦ eラーニングを訓練期間内に修了しないその社員の分が出ない月1回、進み具合を担当者が確認する
受講中⑧ 変更届を出さずに日程や内容を変える変えた日の受講が時間に数えられない変更が分かった時点で変更届を出す
受講中⑨ 受講者が途中で退職するその社員の分が減額になる研修期間中に辞める予定がない人を選ぶ
支給申請⑩ 研修終了日の翌日から2か月以内に申請しない全額不支給受講中から書類をそろえ、最終日の前に申請日を決める

この中で、私たちが実際に減額を経験したのは⑨です。ほかの項目は、計画の段階で社労士と一緒に確認し、受講中も記録を見ていたことで起きずに済みました。以下、時期ごとに中身を説明します。

📌詳しくは「【2026年最新】AI研修の助成金の条件チェックリスト|契約前に確かめる会社・社員・研修・時期の15項目」へ(そもそも自社と社員が対象かどうかの確認)


契約前の失敗:研修の選び方と、費用の払い方で決まる

① 業務に結びつかない汎用的な研修を選ぶ

令和8年8月3日以降に出す計画届から、DX化に関する訓練の扱いが変わりました。労働局の資料「令和8年8月3日からの変更点」では、職務に間接的に必要な知識や、職種を問わず職業人として共通に必要な内容の訓練は助成対象外とされています。例として、「生成AIを利用するために汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練」や「DXの概念、デジタル技術の概要を学ぶ訓練」は対象外、「生成AIを活用して商品提案書の構成案作成、文章生成、修正方法を学ぶ営業担当者向けの訓練」は対象と示されています。

つまり、「ChatGPTの使い方を一通り学ぶ」研修は、これからは助成金の対象になりにくいということです。研修会社のパンフレットに「助成金対象」と書いてあっても、自社の誰が、どの業務に使う研修なのかを説明できなければ、計画の段階でつまずきます。

📌詳しくは「【2026年最新】助成金対象のAI研修の選び方|「助成金対象」の表示より先にカリキュラムで確かめる6つのポイント」へ(契約前にカリキュラムと見積書で確かめる6つのポイントと、研修会社への質問)

私たちの研修では、最初に受講者に自分の仕事を四角と矢印で書き出してもらい、その中から面倒な作業や変えたい作業を5つ挙げてもらいます。そのうえで、一つずつAIと相談しながら、どう自動化するかを決めていきます。私はもともとAIツールの使い方を教えることにはあまり重きを置いておらず、業務改善を手伝うことを大事にしています。この順番だと、「営業担当者の見積書づくりを自動化するための研修」のように、業務と結びついた目的を計画に書けます。研修を選ぶときは、研修会社に「この研修は、うちのどの業務につなげる前提ですか」と聞いてみてください。答えが返ってこない研修は、助成金の面でも、成果の面でも注意が必要です。

📌詳しくは「【2026年最新】生成AI研修の内容とは?何をどの順で学ぶか|5段階のカリキュラム例と自社に合わせる方法」へ(業務につながる研修の中身の組み方)

② 社員に受講料の一部を負担させる・個人名義で申し込ませる

支給要領では、訓練にかかった経費は、支給申請までに会社が全て負担していることが必須とされています。受講した社員に一部でも負担させた場合、その経費は助成の対象として認められず、賃金助成の対象にもならないと書かれています。

よくあるのは、「社員が自分で申し込んで、あとで会社が経費として精算する」形です。研修会社の都合で本人名義の支払いが必要な場合は、全額を本人に返金して会社が負担したことが明らかなら対象にできるという定めもありますが、手続きが複雑になります。会社の研修にするなら、最初から会社名義で申し込み、会社の口座から払うのが確実です。

③ 研修会社からキャッシュバック・協力金・謝礼を受け取る

これは減額では済まず、不正受給になるおそれがある失敗です。労働局の資料「「訓練経費」は無料になりません」では、研修会社などから受け取った金額と助成金の合計が研修費と同じになる場合、受講の感想やインタビューなど宣伝協力のお礼として金銭を受け取った場合、受講の見返りに製品を無料や割引で提供された場合などは、会社が全額負担したことにならないとされています。不正受給と判断されると、会社名・代表者名の公表、受け取った額の全額返還に加えて2割相当額と延滞金の支払い、5年間は雇用関係助成金を受けられない、といった重い結果になります。

「助成金を使えば研修が実質無料になります」「あとからキャッシュバックがあります」という提案を受けたら、その時点で断り、管轄の労働局に相談してください。助成金は、会社が払った費用の一部が戻ってくる制度で、研修が無料になる制度ではありません。


計画届の失敗:締め切りは「研修開始日の1か月前」

④ 研修開始日の1か月前までに計画届を出せない

計画届は、研修開始日の6か月前から1か月前までに、管轄の労働局へ出す必要があります。7月1日に始めるなら、6月1日が締め切りです。この締め切りを過ぎると、その研修は助成金の対象になりません。

私がご相談で一番多く見るのは、「来月から研修を始めたい」と決めたあとで助成金を調べ始めるパターンです。この時点で、すでに計画届の締め切りを過ぎていることがあります。その場合は、研修の開始日を後ろにずらして計画届を間に合わせるか、助成金を使わずに始めるかを選ぶことになります。急ぐ理由がなければ、1〜2か月待って助成金を使う方が、会社の負担は大きく減ります。

⑤ 労働局からの補正(書類の直し)に期限内に応じない

計画届や支給申請の書類に不備があると、労働局から期限を決めて直すよう求められます。支給要領では、期限までに直さない場合は助成金を支給しないとされています。書類を出して終わりではなく、労働局からの連絡を受ける担当者を決め、連絡が来たらすぐ対応できるようにしておいてください。

ご相談に来る会社の多くは、計画書、受講中の受講履歴、受講後の申請、申請後の労働局からの問い合わせへの回答と、すべての段階で手間取っています。特に申請後の問い合わせは、担当者が研修のことを忘れたころに来るので、書類は支給が決まるまで手元に残しておくことが大切です。

📌詳しくは「【2026年最新】AI研修の助成金申請の流れと必要書類|計画届から支給申請まで4段階で「いつ・何を・誰が」出すか」へ(段階ごとに出す書類と締め切りの一覧)


受講中の失敗:出席・修了・変更・退職

⑥ ライブ・集合研修で出席が実訓練時間の8割に届かない

講師とリアルタイムでやりとりする研修(集合研修、オンラインのライブ研修)では、受講時間が実訓練時間の8割以上ある社員だけが助成の対象です。たとえば実訓練時間が20時間の研修なら、16時間以上の出席が必要です。仕事の都合で欠席が重なると、その社員の分が出なくなります。

途中で気づいたときの立て直し方:欠席が出た時点で、残りの日程に全部出れば8割に届くかを計算します。届くなら、残りの研修日を上司が先に予定に入れ、ほかの仕事を入れないようにします。なお、支給要領では、本人都合の退職や、会社の責任によらない病気・けがなどで受けられなかった時間は、実際の受講時間と合わせて8割以上になれば、経費助成は全額を対象にできるとされています(賃金助成は実際に受けた時間の分だけ)。急な病気で休んだ場合は、その理由が分かる記録を残しておいてください。

⑦ eラーニングを訓練期間内に修了しない

eラーニングは、計画届に書いた訓練期間の中で修了した社員だけが対象です。「いつでも見られる」ことが、かえって後回しの原因になります。期間の最後に慌てて見ようとしても、修了に必要な時間が足りないことがあります。

途中で気づいたときの立て直し方:担当者が月に1回、研修会社の管理画面(LMS)で社員ごとの進み具合を確認し、遅れている人には業務時間内に受講する時間を確保します。また、令和8年8月3日以降に出す計画届からは、eラーニングで助成を受けられるのは同じ社員につき1年度に1回までになりました。同じ年度にeラーニングの研修を2本受けさせる計画なら、どちらで助成を受けるかを先に決めておいてください。

⑧ 変更届を出さずに日程や内容を変える

研修の日程や受講者が変わったときは、変更届を出します。支給要領では、変更届を出さずに計画と違う日時で研修を行った場合、計画届のカリキュラムに書いた日時で実訓練時間を数え、計画と違う日時の受講は受講時間に数えないとされています。年次有給休暇を使って受講させた場合も同じ扱いです。つまり、日程を勝手に動かすと、出席していても⑥の8割に届かなくなることがあります。

途中で気づいたときの立て直し方:日程を変えると決めた時点で、研修会社と社労士に連絡し、変更届を出してから変えた日程で受講します。研修は業務として受けさせるものなので、有給休暇を使わせず、通常の勤務時間として扱ってください。

⑨ 受講者が途中で退職する

私たちが経験した減額2件は、どちらもこのケースです。助成の対象は、研修期間中も雇用保険の被保険者である社員なので、途中で退職した社員の分は減ります。支給要領では、本人から自己都合退職の申し出があった場合、申し出た日以降の研修は賃金助成の対象にならないとされています(経費助成は申し出日以降の分も対象)。

防ぎ方と立て直し方:受講者を選ぶときは、「AIに一番興味がある人」だけでなく、「研修期間中に辞める予定がなく、最後まで受講時間を確保できる人」かどうかも確かめてください。それでも退職が出た場合、ほかの社員が最後まで受講していれば、その社員たちの分は通常どおり申請できます。退職した社員が受けられなかった時間と受講時間の合計が8割以上であれば、経費助成の扱いも変わるので、退職が分かった時点で社労士に相談してください。


支給申請の失敗:最後の2か月で全部がむだになる

⑩ 研修終了日の翌日から2か月以内に申請しない

支給申請は、計画届に書いた訓練期間の最終日の翌日から2か月以内に出す必要があります。この期限を過ぎると、研修を最後まで受けていても、助成金は全く出ません。10の失敗例の中で、一番もったいない失敗です。

研修が終わると、担当者は通常の仕事に戻り、申請のことを後回しにしがちです。出勤簿、賃金台帳、受講料の領収書、受講の記録は、受講中からまとめておき、研修の最終日の前に「申請書を出す日」を決めて予定に入れておいてください。

📌詳しくは「【2026年最新】AI研修の助成金は最大75%|人材開発支援助成金の対象条件・申請の流れを解説」へ(制度の全体像と助成率)


不支給・減額を防ぐために、研修会社に契約前に聞く4つのこと

10の失敗例のうち、①③⑥⑦は研修会社の作りや姿勢で大きく変わります。契約の前に、次の4つを聞いてください。

  • この研修は、うちのどの業務につなげる前提ですか?:汎用的な使い方だけの研修ではないかを確かめます(①)。
  • 受講料以外に、キャッシュバックや協力金、謝礼などの話はありますか?:「ある」と言われたら、その研修会社は避けてください(③)。
  • 受講者ごとの出席や学習の進み具合を、受講中に確認できますか?:8割や修了の要件に届きそうかを、途中で把握するために必要です(⑥⑦)。
  • 計画届から支給申請まで、社労士と一緒に支援してもらえますか?:自社で進めることもできますが、慣れていないと期限や補正で失敗しやすくなります(④⑤⑩)。

ホリエモンAI学校では、研修の中身の相談と並行して、顧問の社労士が助成金の要件確認と書類づくりをお手伝いしています。もちろん、管轄の労働局や、お付き合いのある社労士に相談しながら自社で進めることもできます。


AI研修の助成金の不支給・減額に関するよくある質問

AI研修の助成金は、審査に落ちることがありますか?

人材開発支援助成金は、要件と手続きが支給要領で決められている制度で、要件を満たしているかどうかが確認されます。私たちのお手伝いでは不支給は0件でしたが、計画届の期限、出席8割、費用の全額負担、申請期限のどれかを外すと出なくなります。「落ちるかどうか」より「手順を外さないか」を心配してください。

社員が研修の途中で辞めたら、助成金は全部出なくなりますか?

全部が出なくなるわけではありません。退職した社員の分が減額になり、最後まで受講したほかの社員の分は通常どおり申請できます。自己都合退職の申し出があった日以降の研修は、その社員の賃金助成の対象になりません。

ChatGPTの使い方を学ぶ研修は、助成金の対象になりますか?

令和8年8月3日以降に出す計画届では、特定の業務に結びつかない汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ研修は対象外とされています。一方、営業担当者が生成AIで提案書を作る方法を学ぶなど、具体的な業務に直結する研修は対象になり得ます。研修の目的を「どの業務をどう変えるか」で説明できるかが分かれ目です。

「助成金を使えば研修が無料になる」と言われました。大丈夫ですか?

注意が必要です。助成金は会社が払った研修費の一部を助成する制度で、研修が無料になったり利益が出たりする制度ではありません。研修会社などから協力金や謝礼、キャッシュバックを受け取ると、全額負担していないとみなされ、不正受給になるおそれがあります。迷ったら、管轄の労働局に相談してください。

※助成金の要件・助成率・様式は改正されることがあります。最新の内容は厚生労働省の人材開発支援助成金のページ、または管轄の都道府県労働局でご確認ください。


まとめ:不支給・減額は「選び方・期限・記録・費用」の4つで防げる

AI研修の助成金が不支給や減額になる原因は、業務に結びつかない研修を選ぶこと、計画届と支給申請の期限を外すこと、出席8割やeラーニングの修了を満たさないこと、会社が費用を全額負担していないこと、受講者の退職に集まります。私たちがお手伝いした約300〜350件で不支給が0件だったのは、これらを研修を始める前に確認し、受講中も記録を見ていたからです。研修を決めたら、まずこの記事の10の失敗例の表を担当者と一緒に見て、自社が外しそうな行に印を付けてください。

「今の計画で不支給や減額にならないか心配」「受講中に欠席や退職が出て、どうすればいいか分からない」という場合は、無料相談で状況をお聞かせください。助成金を使わない方がよい場合や、自社で進められる場合も、その旨を正直にお伝えします。

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