【2026年最新】AI研修の助成金は社労士に頼む?自社で申請する?判断の5つの質問と「会社・社労士・研修会社」の分担表

この記事は、AI研修で助成金を使いたい中小企業の社長・総務担当者の、「申請を社労士に頼むべきか、自社でできるのか、顧問の社労士に何をどこまで頼めばいいのか分からない」という困りごとを解決するために、私がこれまで助成金を使った研修のお手伝いで見てきたことをまとめたものです。

📌AI研修の助成金の全体像(対象確認・研修選び・金額・日程・社労士・申請の6つの順番)は「AI研修の助成金 完全ガイド」にまとめています。

結論:AI研修の助成金(人材開発支援助成金)の申請は、雇用保険の手続きに慣れた社内担当者がいて、出勤簿・賃金台帳がそろい、計画届から支給申請までの締め切りを1人で管理できるなら、自社でも進められます。どれか1つでも欠けるなら社労士に頼むのが安全です。なお、報酬を受け取って申請書類の作成や提出代行ができるのは社労士だけで、社労士に頼んでも「社員に受講させること」「受講の記録を残すこと」「研修費を会社が全額払うこと」は会社の仕事として残ります。

この記事では、自社でやるか社労士に頼むかを決める5つの質問と、会社・社労士・研修会社の分担表、顧問社労士がいる会社が最初に確かめることを順に説明します。申請の流れや必要書類そのものは別の記事にまとめているので、ここでは「誰がやるか」の決め方に絞ります。


先に知っておくこと:代行を頼めるのは社労士だけ、頼んでも会社の仕事は残る

社会保険労務士法の第27条では、社労士(社労士法人)でない者が、報酬を得て、労働・社会保険の法令に基づく申請書類の作成や提出の代行を業として行うことを禁じています(出典:e-Gov法令検索「社会保険労務士法」)。人材開発支援助成金の書類づくりを外に頼むなら、相手は社労士です。研修会社やコンサル会社が「書類は全部うちで作ります」と言う場合は、実際に誰が作って出すのか(提携している社労士なのか)を確認してください。

もう1つ大事なのは、社労士に頼めるのは「書類」の部分だけだということです。社員が研修を受けること、受講時間を勤務時間として扱い出勤簿に残すこと、研修費を会社名義で全額払うことは、どれだけ優秀な社労士に頼んでも会社が自分でやるしかありません。不支給や減額の原因の多くは、書類の書き方よりも、この「会社側の運用」で起きます。

📌詳しくは「【2026年最新】AI研修の助成金が不支給・減額になる10の失敗例|時期別の防ぎ方と途中で気づいたときの立て直し方」へ(会社側の運用で起きる失敗の一覧)


自社でやるか、社労士に頼むかを決める5つの質問

次の5つに「はい」か「いいえ」で答えてください。5つすべて「はい」なら自社で進められる体制があります。1つでも「いいえ」があれば、その部分だけでも社労士に頼むことを考えてください。

質問「いいえ」のときに起きやすいこと
① 雇用保険の加入・喪失などの手続きを、社内の担当者が自分でやっていますか?受講者が雇用保険の被保険者かどうか、誰が対象になるかの確認でつまずく
② 出勤簿(タイムカード)・賃金台帳・雇用契約書が、受講する社員全員分そろっていますか?支給申請で受講時間と賃金を示せず、賃金助成が受けられない、または補正が続く
③ GビズIDを取得していて、雇用関係助成金ポータルで電子申請できますか?GビズIDの取得に時間がかかり計画届が締め切りに間に合わない。紙で出すと、あとの変更届・支給申請も紙になる
④ 計画届(研修開始日の6か月前〜1か月前)と支給申請(研修最終日の翌日から2か月以内)の締め切りを、担当者が責任を持って管理できますか?締め切りを1日でも過ぎると、その研修は助成の対象にならない
⑤ 100ページを超える支給要領を読み、労働局からの問い合わせ(補正の依頼)に期限内に答える時間がありますか?本業の繁忙期と重なって返答が遅れ、手続きが止まる

④の期限と電子申請については、厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」と「雇用関係助成金ポータル」をもとにしています。

助成金のご相談を受けていて私が感じるのは、お客様が手間取るのは特定の1枚の書類ではなく、受講前の計画書、受講中の受講履歴、受講後の申請、申請後の労働局からの個別の問い合わせへの回答と、すべての段階だということです。そのため、⑤の「時間があるか」は特に慎重に答えてください。総務担当者が経理や採用も兼ねていて、繁忙期に労働局からの問い合わせに答えられそうにないなら、ここは「いいえ」です。


会社・社労士・研修会社の分担表

社労士に頼む場合でも、3者のどこかで仕事が抜けると申請は止まります。最初の打ち合わせで、この表を見せながら「この行は誰がやるか」を決めておいてください。

段階会社(社長・担当者)社労士研修会社
研修を選ぶ前どの業務をどう変えるための研修かを決める。受講者を選ぶ会社と受講者が対象になるかを確認する業務と結びついたカリキュラム案を出す
計画届(研修開始日の6か月前〜1か月前)就業規則などの社内資料を渡す。研修費を会社名義で契約する計画届の作成と提出(代行)日ごとの内容と時間が分かるカリキュラム、契約書を出す
受講中受講を勤務時間として扱い、出勤簿に残す。日程や受講者の変更をすぐ伝える変更届の作成と提出(代行)受講者ごとの出席・学習の記録を残す
支給申請(最終日の翌日から2か月以内)出勤簿・賃金台帳・支払いの証拠を渡す支給申請書類の作成と提出(代行)、労働局からの問い合わせへの対応修了証、請求書・領収書、支給申請承諾書への記入

自社で申請する場合は、表の「社労士」の列も会社の担当者がやることになります。一方、「研修会社」の列は、自社でやる場合も社労士に頼む場合も変わりません。研修会社がこれらの書類を出せるかどうかは、契約前に必ず確認してください。

📌詳しくは「【2026年最新】AI研修の助成金申請の流れと必要書類|計画届から支給申請まで4段階で「いつ・何を・誰が」出すか」へ(各段階で出す書類の名前と様式番号)


顧問社労士がいる会社が、最初に確かめる3つのこと

「うちは顧問の社労士がいるから大丈夫」と考える会社は多いのですが、顧問社労士がいることと、助成金の申請まで頼めることは別の話です。研修を決める前に、次の3つを顧問社労士に聞いてください。

  1. 助成金の申請は、今の顧問契約に含まれていますか?給与計算や社会保険の手続きだけの契約で、助成金は別料金・別契約という事務所もあります。費用の決め方(着手金、成功報酬など)は事務所ごとに違うので、見積もりを先にもらってください。
  2. 人材開発支援助成金を扱ったことがありますか?社労士の事務所によって、得意な分野は違います。助成金を扱っていない事務所もあるので、扱っていない場合は、助成金に慣れた別の社労士を紹介してもらえるかも聞いてください。
  3. 研修会社とのやり取りは、誰がやりますか?カリキュラムや受講記録の形式が合わないと、作り直しが発生します。社労士が研修会社と直接やり取りするのか、会社の担当者が間に入るのかを決めておくと、受け渡しの漏れが減ります。

3つとも答えが出たら、上の分担表の「社労士」の列に、顧問社労士の名前を書き込んでください。書き込めない行が残るなら、そこが申請の止まる場所です。


私たちの進め方:研修の相談と、顧問社労士による書類づくりを並行する

ホリエモンAI学校では、研修の中身の相談と並行して、私たちの顧問の社労士が助成金の要件確認と書類づくりをお手伝いしています。これまで約300〜350件の助成金申請を、顧問の社労士と一緒にお手伝いしてきました。その中で不支給になった会社は1社もなく、減額は2件で、どちらも研修の途中で社員の方が退職し、受講しなかった分が出なかったというケースです。また、社労士との面談の段階で、制度上対象外の業種だと分かってお断りした会社が1社ありました。

この形では、研修の中身(どの業務をどう変えるか)は私たちが、書類は社労士が担当します。研修会社は報酬を得て書類を代行できないので、役割を分けています。受講者には最初に自分の仕事を四角と矢印で書き出してもらい、面倒な作業を5つ挙げてもらうので、「営業担当者の見積書づくりを自動化するための研修」のように、業務と結びついた目的を計画に書けます。

もちろん、お付き合いのある顧問社労士と進めていただくことも、自社で申請していただくこともできます。その場合も、分担表の「研修会社」の列の書類は私たちが用意します。

📌詳しくは「【2026年最新】AI研修の助成金の条件チェックリスト|契約前に確かめる会社・社員・研修・時期の15項目」へ(社労士に相談する前に、自社で確かめられる条件)


AI研修の助成金と社労士に関するよくある質問

AI研修の助成金は、社労士に頼まずに自社で申請できますか?

できます。会社が自分で計画届と支給申請を出すことは認められており、雇用関係助成金ポータルから電子申請もできます。ただし、締め切りを過ぎると対象外になり、労働局からの問い合わせにも期限内に答える必要があるので、担当者の時間を確保できるかで判断してください。

研修会社やコンサル会社に、助成金の書類づくりを頼んでもいいですか?

報酬を受け取って申請書類の作成や提出代行ができるのは、社会保険労務士法で社労士(社労士法人)に限られています。研修会社やコンサル会社が書類づくりを申し出たら、実際に作成・提出するのはどの社労士かを確認してください。「助成金で研修が実質無料になる」「あとからキャッシュバックがある」という提案は、不正受給につながるおそれがあるので断ってください。

社労士に頼めば、会社は何もしなくていいですか?

いいえ。社員に受講してもらうこと、受講時間を勤務時間として出勤簿に残すこと、研修費を会社名義で全額払うこと、受講者や日程が変わったときにすぐ社労士へ伝えることは、会社にしかできません。社労士に頼むのは書類の部分で、運用は会社の仕事として残ります。

※助成金の要件・様式・期限は改正されることがあります。最新の内容は厚生労働省の人材開発支援助成金のページ、または管轄の都道府県労働局でご確認ください。


まとめ:社労士に頼むかどうかは「担当者の時間」で決め、頼んでも運用は会社がやる

AI研修の助成金の申請は、自社でもできますし、社労士に頼むこともできます。決め手は、雇用保険の手続きの経験、出勤簿・賃金台帳の整備、電子申請の準備、締め切りの管理、労働局とのやり取りの時間の5つです。外に頼むなら相手は社労士で、顧問社労士がいる場合も、助成金が契約に含まれるか、扱った経験があるか、研修会社とのやり取りを誰がやるかを先に確かめてください。研修を決めたら、まずこの記事の分担表に3者の名前を書き込むところから始めてください。

「顧問社労士はいるが、助成金は扱っていないと言われた」「自社でやるか迷っていて、どこまで手間がかかるのか知りたい」という場合は、無料相談で状況をお聞かせください。自社で進められる場合や、助成金を使わない方がよい場合も、その旨を正直にお伝えします。

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