【2026年最新】介護施設のシフト作成をAIで自動化する方法|Geminiで条件を守ったシフト案を作る3ステップ

この記事はこんな方におすすめ

シフト作成に毎月時間がかかっている介護施設・店舗の方

この記事は、介護施設・訪問介護事業所でシフト表を作っている管理者や事業所長の、「毎月のシフト作りに何日もかかり、しかも自分にしか組めない」という困りごとを解決するための記事です。私がこれまで400社・4,000人に研修してきた中で見てきた進め方をもとにまとめています。

結論:介護施設のシフト作成は、①今のシフトの作り方と困りごとを書き出し、②職員の資格・夜勤可否・希望休・組ませてはいけない組み合わせを表(CSV)にまとめ、③Geminiの「Gem」に作成ルールを覚えさせてシフト案を出し、別のGemでチェックする、という順番で自動化できます。プログラミングの知識は不要で、Gemで足りない条件が出てきたら、その時点で専用のシフト作成ツールを作ればよいです。

📌ほかの業種も含めた全体像は「業種別のAI活用事例ガイド|中小企業は「業種」より「業務」で探す」で、10業種の最初の1つを早見表にまとめています。

夜勤明けの翌日は休みにする、夜勤には必ず有資格者を入れる、希望休はできるだけ通す、Aさんと Bさんは同じ日に入れない。こうした条件を毎月パズルのように組み合わせていると、たとえばシフト表作りだけで月に3日かかる、ということが普通に起きます。しかも条件の多くは作る人の頭の中にしかないので、その人が休んだり辞めたりすると誰も組めなくなります。

この記事では、AIの機能紹介ではなく、この「時間がかかる」「その人にしか組めない」という2つの困りごとをどう解決するかを、手順の順番で説明します。


介護のシフト作成で、何に時間がかかっているのか

介護のシフトが難しいのは、守るべき条件が多く、しかも条件どうしがぶつかるからです。よく出てくる条件は次のようなものです。

  • 夜勤・早番・日勤・遅番の回数を職員ごとに偏らせない

  • 夜勤や各時間帯に、介護福祉士などの有資格者を必ず入れる(施設の人員配置基準)

  • 夜勤明けは休み、連続勤務は何日まで、といった勤務ルール

  • 職員ごとの希望休・勤務できる曜日や時間帯(子育て中、Wワークなど)

  • 新人とベテランを組ませる、相性の悪い職員を同じ時間帯に入れない、といった現場の判断

最後の「現場の判断」は、どこにも書かれていないことがほとんどです。市販のシフト管理ソフトを入れても、ここが入らないために結局手で直すことになり、「ソフトを入れたのに楽にならない」という声につながります。AIで自動化するときも、まずこの書かれていない条件を文字にするところから始めます。


最初にやること:シフトの作り方を四角と矢印で書き出す

介護の人が何に困っているかは、私たちではなく介護の現場の人が一番知っています。だから私はいつも、業種別の正解を当てはめるのではなく、その事業所の仕事の流れを書き出してもらうところから始めます。シフト作りなら、たとえば次のような流れになります。

  1. 前月の20日ごろに、職員から希望休を紙やLINEで集める

  2. Excelの前月シフトをコピーして、希望休を書き込む

  3. 夜勤から先に埋め、有資格者が入っているかを目で確認する

  4. 日中の時間帯を埋め、人数が足りない日に声をかけて調整する

  5. 完成版を印刷して貼り出し、急な休みが出たら手で直す

このように四角と矢印で書くと、「希望休を集めて転記するだけで半日かかっている」「有資格者の確認を毎回目でやっている」といった、本人も気づいていなかった時間のかかり方が見えてきます。そのうえで、面倒なこと・変えたいことを5つほど箇条書きにしてもらい、そこから自動化します。困っていない作業まで無理にAIに置き換える必要はありません。

📌業務を書き出して自動化する進め方は「AIで事務作業を自動化する方法|自動化しやすい業務7つと進め方5ステップ」でも詳しく解説しています。


Geminiでシフト案を作る3ステップ

書き出した困りごとが「条件を組み合わせる作業に時間がかかる」であれば、まずはGeminiの「Gem」機能で十分に解決できます。Gemは、役割やルールをあらかじめ覚えさせた専用のAIを作れる機能で、毎回同じ条件を説明し直す必要がありません。

ステップ1:職員の情報と条件を表(CSV)にまとめる

1行に1人の職員を並べ、次のような列を作ります。氏名の代わりに職員番号を使うと、個人情報をAIに渡す量を減らせます。

  • 職員番号・資格(介護福祉士、初任者研修など)

  • 夜勤の可否、1か月の夜勤回数の上限

  • 勤務できる曜日・時間帯、1か月の勤務日数の目安

  • その月の希望休

  • 同じ時間帯に入れない相手、必ずベテランと組ませる新人、などの現場の条件

ポイントは最後の列です。これまで作る人の頭の中にあった条件を、ここで文字にします。この表ができた時点で、シフト作りはその人にしかできない仕事ではなくなります。

ステップ2:シフト作成用のGemにルールを覚えさせて、案を出す

Gemの指示欄に「あなたは介護施設のシフト作成担当です。次のルールを必ず守って1か月分のシフト表を作ってください」と書き、続けて夜勤明けは休み、各夜勤に有資格者1名以上、連続勤務は5日まで、といった自分の施設のルールを箇条書きで入れます。あとは毎月、ステップ1のCSVを渡して「11月分を作ってください」と頼むだけで、シフト案のたたき台が表で出てきます。

ステップ3:チェック用のGemで、ルール違反がないか確かめる

作ったAIに自分で確認させると、間違いを見逃しやすくなります。そこで、ルールだけを覚えさせた「チェック用のGem」を別に作り、出てきたシフト案を渡して「ルール違反と、夜勤回数の偏りを一覧にしてください」と頼みます。指摘が出たところだけを人が直せば、目で全部を確認する手間が大きく減ります。

Gemは無料のGoogleアカウントでも作れますが、職員の情報を業務で扱うなら、入力した内容がAIの学習に使われないプラン(Google Workspaceで使うGeminiなど)を選び、施設の個人情報の取り扱いルールに合わせて使ってください。


Gemで足りなくなったら、自分の施設専用のシフトツールを作る

職員が数十人を超える、複数の事業所をまたいで組む、訪問介護の配車と一緒に考えたい、となると、毎月Gemに頼むやり方では手間が残ります。そのときは、専用のシフト作成ツールを作ってしまうのが早いです。

私たちの研修では、シフト作りの困りごとを全部書き出し、今の作り方を聞きながらワークフローにまとめ、それをChatGPTやClaudeに読み込ませて「これを全部解決するシフト表のサービスを作りたい」と仕様書を作ってもらいます。その仕様書をClaude CodeやCodexに渡して、最低限使える試作品を作り、実際に使いながら「ここを変えたい」を足していきます。

この進め方で面白いのは、「この2人は同じシフトに入れない」のような、普通のシフト管理ソフトでは設定できず、ベテランが頭の中で判断していた条件もきちんと入ることです。既製品に合わせるのではなく、自分の施設の条件に合わせた道具を作れるのがAIの強みです。

📌非エンジニアがClaude Codeで業務ツールを作る流れは「Claude Code研修で非エンジニア社員は何を作れる?業務自動化までの5ステップ」で紹介しています。


介護施設での導入事例:属人化していたシフト作成をCSV1本に

ホリエモンAI学校の研修をきっかけに、介護施設でGeminiのGemを使ったシフト作成の仕組みを作った事例があります。

この施設では、夜勤・早番・遅番のバランスや有資格者の配置、休暇希望の反映が必要な中、シフト作成がベテラン職員に集中し、条件の確認も手作業で行われていました。そこで、職員の情報をCSVにまとめ、シフト作成用のGemで案を出し、別に用意したチェック用のGemで整合性を確認する流れを作りました。

導入前はベテラン職員が毎月数時間〜十数時間をかけていましたが、導入後はCSVを渡すだけでシフト案が出て、チェックまで一続きで行える運用が見込めるようになりました。若手職員でも回せる体制づくりにつながり、同じ考え方を利用者のスケジュール作成や職員の研修計画、処遇改善加算に関する事務にも広げられる点も特徴です。


失敗しないための4つの注意点

  • 最初から100%を目指さない。8〜9割の日が自動で埋まれば十分です。急な欠勤や特殊な事情の日は、これまでどおり人が調整すればよいです。

  • 人員配置基準の最終確認は人が行う。AIの案は便利なたたき台ですが、基準を満たしているかの最終判断は管理者が行ってください。

  • 作成とチェックのAIを分ける。1つのAIに丸投げせず、作る役とチェックする役を分けると見落としが減ります。

  • 職員の情報は必要な分だけ渡す。職員番号に置き換える、学習に使われないプランを選ぶなど、施設のルールに沿って扱います。

📌研修費用を助成金でまかなえるか気になる方は「AI研修の助成金は最大75%|人材開発支援助成金の対象条件・申請の流れ」も参考になります。


シフトの次に自動化しやすい介護の業務

シフトで「書き出す→表にする→AIに任せる」の流れができると、ほかの業務にも同じやり方が使えます。介護の現場でよく相談されるのは次の2つです。

  • 介護記録:利用者さんと話している間の音声を録音し、AIに文字起こしと要約をさせて記録に入れる。スマホで文字を打つ負担が大きい職員ほど効果があります。

  • 訪問介護の配車とシフト:訪問先・時間・職員の移動手段をまとめて、配車とシフトを同時に組む。Gemで難しくなったら専用ツールを作る領域です。

業種が違っても考え方は同じです。小売業で発注の困りごとを解決した例もあわせて読むと、自分の事業所の業務に置き換えるヒントになります。

📌他業種の例は「小売業の売上予測をGPTsで自動化|発注と在庫ロスを減らす仕組み」で紹介しています。


介護のシフト作成とAIに関するよくある質問

Q1. 介護のシフト作成はAIで自動化できますか?

できます。職員の資格・夜勤可否・希望休・組ませない組み合わせを表にまとめ、GeminiのGemに施設のルールを覚えさせれば、1か月分のシフト案を出せます。人員配置基準を満たしているかの最終確認は管理者が行ってください。

Q2. プログラミングの知識がなくても始められますか?

Gemを使うやり方なら、表を用意してGeminiの画面でルールを書くだけなので、プログラミングは不要です。専用ツールを作る段階でも、仕様書づくりと試作をAIに任せるため、非エンジニアの方が研修で作っています。

Q3. 職員の個人情報をAIに入れても大丈夫ですか?

氏名を職員番号に置き換える、入力内容が学習に使われない法人向けプランを使う、施設の個人情報の取り扱いルールに合わせる、の3つを守るのが基本です。外部に情報を出せない場合は、施設内のパソコンで動かすローカルLLMという選択肢もあります。

Q4. 市販のシフト管理ソフトとどちらがよいですか?

条件が一般的で、ソフトの設定で表現できるなら市販ソフトで十分です。現場の判断のような独自の条件が多く、ソフトを入れても手直しが減らない場合は、Gemや専用ツールで自分の施設の条件に合わせる方が楽になります。


まとめ:シフト作りは「頭の中の条件を文字にする」ことから

介護のシフト作成に時間がかかり、特定の人にしか組めないのは、条件が多く、その多くが頭の中にしかないからです。今の作り方を四角と矢印で書き出し、条件を表にし、GeminiのGemで案とチェックを任せる。足りなくなったら専用ツールを作る。この順番で進めれば、プログラミングの知識がなくても自動化できます。

「毎月のシフト作りに何日もかかっている」「担当者が辞めたらシフトが組めなくなる」「介護記録や配車も含めて業務を見直したい」という状況でしたら、お気軽にご相談ください。困りごとを伺ったうえで、自社でできることは自社でできるとお伝えします。

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