この記事は、エンジニアのいない中小企業の社長や研修・DX担当者の、「Claude Codeで業務を自動化できると聞くが、非エンジニアの社員に本当にできるのか、研修で何をすれば実際の業務が楽になるところまで行くのか分からない」という困りごとを解決するために、私がこれまでの研修と自分自身の経験で見てきたことをまとめたものです。
結論:非エンジニアの社員でも、Claude Codeで自社専用の業務ツールを作り、業務を自動化できます。ただし研修で成果が出るかどうかは、操作を覚えるかどうかではなく、「①自分の業務を書き出して困りごとを決める→②その困りごとがClaude Codeで解くべきものか選ぶ→③仕様書を作る→④試作品を作って使いながら直す」という順番を、自分の業務を題材に1周やり切れるかで決まります。
法人向けAI研修の全体像(困りごとの決め方から費用・形式・研修会社選び・定着まで)は、「法人向けAI研修の完全ガイド」にまとめています。
Claude Codeは、Anthropic社が提供する、指示を出すとAIが自分でファイルを読み書きし、プログラムを作って動かすところまで進めてくれるツールです(ツールそのものの説明は下の記事にまとめています)。この記事では「ツールの説明」ではなく、受講企業400社・受講者4,000人を超えるホリエモンAI学校(自社公開データ)で、非エンジニアの方に教えてきた立場から、研修で何をどの順でやれば社員が自分の業務を自動化できるようになるのか、どこでつまずくのかをお伝えします。
📌Claude Codeそのものの特徴は「【2026年最新】Claude Codeとは?法人での活用例5つと導入の進め方・注意点を解説」へ
非エンジニアの社員は、Claude Codeで本当に業務を自動化できるのか
できます。私たちの受講企業や、私自身の身近で実際にあったことを3つ紹介します。
- 非エンジニアの社員が、営業管理(SFA/CRM)の代わりになる自社専用のツールを約1週間で作った例。既製の営業管理ツールに合わせて仕事をするのではなく、自分たちの営業のやり方に合わせたツールを自分で作りました。
- 月1回の面談の最中に、10分ほどで作った例。「社員の健康状態(メンタルの状態)が分からないので、どうにかしたい」という相談があり、その場で画面を開いて、社員の状態を確認できる簡単なサービスを一緒に作りました。受講で本格的に学ぶ前に、困りごとが1つ解決してしまったことになります。
- 私自身の例。私はエンジニアではありませんが、2026年5月にClaude Codeを覚え、今は自分の仕事で使うツールをいくつも作っています。過去の顧客データを統合して「3年前のセミナーに来てくれた方が今月受講した」と分かるようにする仕組み、3年分のメールの分析、メールアドレスを手がかりに30〜40のデータを突き合わせる仕組み、話した内容を敬語の文章に直して返信できる音声アプリなどです。
共通しているのは、作った人が「何に困っているか」をはっきり分かっていたことです。プログラミングの知識があったからではありません。逆に、困りごとが決まっていない人は、研修でどれだけ操作を覚えても何も作れません。私たちが研修で一番時間をかけるのは、操作の説明ではなくこの「困りごと決め」です。
研修を始める前に確かめる2つのこと
1. 社内のルールで、Claude Codeを使ってよいか
業務を自動化する方法は、大きく分けて3つしかありません。手順が毎回同じ作業を自動でつなぐワークフロー自動化、毎回少し判断が必要な作業を任せるAIエージェント、そして既製のツールでは合わない作業のために自社専用のツールを作るコーディングエージェント(Claude Code、Codexなど)です。
どこまで使えるかは、その会社のAI活用ガイドライン・セキュリティのルールがどのくらい厳しいかで決まります。たとえばMicrosoft 365とMicrosoft Copilotを全社で使っていて、ほかのAIを使えない会社では、Claude Codeの研修を受けても職場で使えません。その場合は、Microsoft製品の中にあるPower Automate クラウドでのワークフロー自動化を学ぶほうが、すぐ業務に効きます。ワークフロー自動化はAIを使わなくても業務を自動化できるので、それで十分な会社もあります。Claude Code研修を検討する前に、まず「社内のルールでコーディングエージェントを使ってよいか」を情報システム担当と確認してください。
2. 社員一人ひとりの「困りごとリスト」があるか
研修の題材は、講師が用意したサンプルではなく、受講者本人の業務の困りごとです。研修の前に、受講者に「面倒な作業・変えたい作業」を5つずつ書いてもらってください。書けない人がいても構いません。私たちは月1回の面談で、医者の問診のように「普段どんな仕事をしていますか」と聞きながら一緒に書き出しています。
非エンジニア向けClaude Code研修の進め方|困りごと1つを解決するまでの5ステップ
ホリエモンAI学校で、受講者が困りごとを1つ解決するときの流れです。社内で進める場合も、この順番をそのまま使えます。
| ステップ | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 業務を書き出す | 自分の仕事を、四角(作業)と矢印(次の作業へのつながり)で紙に書く | 口では「もう効率化している」と言う人も、書くと時間をかけている作業が見つかる |
| 2. 困りごとを選ぶ | 面倒な作業を5つ挙げ、1回の時間と月の回数を書き添えて1つ選ぶ | 「困っていない作業」は選ばない |
| 3. 解き方を選ぶ | ワークフロー自動化・AIエージェント・Claude Codeのどれで解くか決める | 既製ツールで足りるならClaude Codeを使わない |
| 4. 仕様書を作る | 書き出した業務の流れをChatGPTやClaudeに読み込ませ、「これを解決するツールを作りたい」と仕様書を作ってもらう | 何を入れて、何が出てくればいいかを日本語で書く |
| 5. 試作品を作って直す | 仕様書をClaude Codeに渡して最低限使える試作品を作り、実際に使って「ここを変えたい」を足していく | 最初から完璧を目指さない |
たとえばシフト作りが困りごとの場合、まず今どうやってシフトを作っているかを聞きながら全部を流れ図にし、それをもとに仕様書を作り、Claude Codeで試作品を作ります。面白いのは、「この2人は相性が悪いので同じシフトに入れない」のような、市販のシフト管理ツールでは入れにくく、ベテランが頭の中で判断していた条件まで入れられることです。既製のツールに業務を合わせるのではなく、自社の業務に合わせたツールを作れるのが、Claude Codeを学ぶ一番の意味だと私は考えています。
ステップ1・2の業務の書き出しと困りごとリストの作り方、研修全体の中でClaude Codeをどの時期に学ぶかは、次の記事で詳しく解説しています。私たちが内容を任せていただく場合は、1か月目にチャット型AIの基礎、2か月目にワークフロー自動化、3か月目にAIエージェントとClaude Codeなどのコーディングを学び、4か月目からは困りごとリストから「私はこれを解決します」と1つ選んで取り組む流れが多いです。
📌詳しくは「【2026年最新】生成AI研修の内容とは?何をどの順で学ぶか|5段階のカリキュラム例と自社に合わせる方法」へ
最初の1本に向いている業務・向いていない業務
研修で最初に作るものを間違えると、「Claude Codeは難しい」という印象だけが残ります。私たちが見てきた中で、最初の1本に向いているもの・向いていないものを整理すると次の通りです。
| 業務の例 | 理由 | |
|---|---|---|
| 向いている | 2つのデータの突き合わせ(銀行の入出金データと手元のExcelの照合など) | 手作業だと1件ずつ確認していて時間がかかり、正解がはっきりしているので作ったものを確かめやすい |
| 向いている | 社内に散らばったデータの統合・集計 | 何と何をつなげたいかを本人が一番よく分かっている |
| 向いている | 既製ツールでは条件が入らない作業(シフト、見積もりの計算など) | 自社のやり方に合わせたツールを作れるのがClaude Codeの強み |
| 向いていない | 本人が困っていない作業(「AIで議事録を取ろう」など、流行っているから試すもの) | 使う理由がないので、作っても使われない |
| 向いていない | 100%正しくないと困る作業を、最初から全部任せるもの | 最初は8〜9割を自動にして、残りは人が対応する形にしたほうが早く効果が出る |
| 向いていない | 会社の基幹システムそのものの作り直し | 試作品は作れても、本番で長く使うものはエンジニアに渡して開発すべき |
迷ったら、「困りごとリストの中で、自分が一番イライラしている作業」を選んでください。困りごとがあって初めてAIを使う意味が出てきます。困りごとが先で、Claude Codeは後です。
非エンジニアのClaude Code研修でよくあるつまずき3つ
1. 「何ができるか」から入ってしまう
「Claude Codeで何ができますか」「どんなものが作れますか」という質問から始めると、作るものが決まらないまま研修が終わります。できることを一通り見ても、自分の業務と結びつかないからです。研修の初日に、受講者が自分の困りごとを1つ決めている状態を作ってください。
2. 最初から100%を目指す
例外まで全部AIに処理させようとすると、いつまでも完成しません。私は「8〜9割を自動にできれば十分、残りの例外は人間が対応すればいい」とお伝えしています。人が見ても判断できないものは、AIにも判断できません。
3. 試作品を増築し続けて「魔改造」になる
非エンジニアがClaude Codeで作ると、1〜2週間で最低限使える試作品ができます。ここから、本来はエンジニアに渡してきちんと作り直すべきところを、そのまま機能を足し続けてしまうことがあります。3階建てのアパートの上にテラスハウスを建て、その上に東京タワー、さらにお寺を載せたような状態です。こうなると、作った本人しか直せず、壊れたときに誰も手を出せません。試作品で効果が確認できたら、社内で長く使うものはどこで線を引いてエンジニアに渡すかを、研修の段階で決めておくことをおすすめします。
Claude Code研修の選び方|確かめたい4つのこと
Claude Codeの研修は、開発の生産性を上げたいエンジニア向けのものと、業務を自動化したい非エンジニア向けのものに大きく分かれます。私たちは自分たちを「自動車教習所」だと考えています。非エンジニアの未経験者を、自分で運転できる初心者にする場所です。レースで勝ちたいエンジニアの会社のご相談はお断りしています。研修を比べるときは、次の4つを確かめてください。
- 対象者が非エンジニアか。エンジニア向けの内容だと、環境構築やプログラムの説明が中心になり、業務の自動化までたどり着きません。
- 講師が「わからない人の気持ち」が分かるか。ホリエモンAI学校では、あえてエンジニアに講師をさせていません。専門家が教えると話が難しくなるからです。自分も未経験から学んで作れるようになった人が教えています。
- 受講者自身の困りごとを題材にするか。講師が用意したサンプルを作って終わる研修では、職場に戻ったときに何を作ればいいか分かりません。
- 研修のあとに相談できる場があるか。実際に作り始めると、必ず途中で止まります。月1回の面談など、自分の困りごとを持ち込める場があるかを確認してください。
いきなり全社で始めるのが不安な場合は、まず社長や推進役が1日で体験するのも一つの方法です。ホリエモンAI学校の「1日Camp」は、朝9時から18時まで講師が目の前にいる状態で、最後に自分の手でWebサービスを作るところまでやる講座です。「AIで何ができるか分からない」と相談に来られた社長が、Campで実際に作ってみて、社員の受講を決めた例もあります。
研修で作ったツールを、受講後も使い続けてもらうための仕組みは、こちらで解説しています。
📌詳しくは「【2026年最新】AI研修の効果が出ない・定着しない原因は「研修のあと」にある|受講後90日でやる5つのことと効果の測り方」へ
Claude Code研修に関するよくある質問
プログラミングの知識がまったくない社員でも、Claude Codeの研修についていけますか?
ついていけます。Claude Codeには日本語で指示を出し、プログラムを書くのはAIです。必要なのはプログラミングの知識ではなく、「今の業務がどういう流れで、どこに困っているか」を言葉で説明できることです。研修の前に業務の書き出しと困りごとリスト作りをしておくと、つまずきにくくなります。
Claude Codeで業務ツールを作るのに、どのくらいの期間がかかりますか?
困りごとと作りたいものがはっきりしていれば、簡単なものはその場で、10分ほどでできることもあります。非エンジニアの社員が営業管理の代わりになるツールを作った例では、約1週間でした。最低限使える試作品なら1〜2週間が一つの目安です。そこから使いながら直していきます。
Microsoft 365を全社で使っている会社でも、Claude Code研修を受ける意味はありますか?
社内のルールでClaude Codeなどの外部のAIを使ってよいかによります。使えない場合は、Microsoft製品の中にあるPower Automate クラウドでのワークフロー自動化を学ぶほうが、すぐに業務に効きます。研修を申し込む前に、情報システム担当と社内ルールを確認してください。
まとめ:Claude Code研修は「困りごと1つを解決するまで」を1周やる
非エンジニアの社員でも、Claude Codeで自社専用の業務ツールを作り、業務を自動化できます。研修で成果を出すには、まず社内のルールでClaude Codeを使ってよいかを確かめ、受講者一人ひとりが困りごとを書き出してから始めること、そして「業務の書き出し→困りごとを選ぶ→解き方を選ぶ→仕様書→試作品を作って直す」を自分の業務で1周やり切ることが大切です。最初から100%を目指さず、試作品を増築しすぎず、長く使うものはどこでエンジニアに渡すかを決めておいてください。
「Claude Codeに興味はあるが、自社の業務で何を作ればいいか分からない」「社員にAIツールを渡したが、業務の自動化まで進まない」という場合は、無料相談で現状をお聞かせください。Claude Codeでなくても解決できる困りごとであれば、そうお伝えします。