【2026年最新】ツール・システム間のデータ連携を自動化する方法|手で入れ直す作業をなくす「4つのつなぎ方」と、つなぐ前に決める4つのこと

この記事は、申込フォーム・顧客台帳・会計ソフト・社内チャット・業務システムなど、社内で使うツールが増えた中小企業の社長・管理部・営業事務の方の、「同じ情報をツールごとに手で入れ直している」「ツール同士をつなぎたいが、何から手を付ければいいか分からない」という困りごとを解決するために、私がこれまで400社・4,000人の研修で見てきたことをまとめたものです。

結論:ツール・システム間のデータ連携は、①ツールに最初からある連携機能、②ワークフロー自動化ツール(Power Automate、Zapier、Make、n8nなど)、③API(ツール同士がデータをやり取りする窓口)をつなぐ小さなプログラム、④APIのない古いシステムを画面操作の自動化(RPA)で動かす、の4つの方法を上から順に検討すれば、ほとんどが自動にできます。ただし、つなぐ前に「どのツールのデータを正とするか・何をきっかけにどちら向きに流すか・項目をどう対応させるか・失敗したらどうするか」の4つを決めておかないと、二重登録や食い違いが起きて、手作業より手間が増えます。AIが必要になるのは、書式がばらばらのメール本文から必要な項目を読み取るなど、「読んで判断する」工程が入るときだけです。

📌ほかの困りごとも含めた全体像は「AIで業務の困りごとを解決する方法|受講企業に多い10の困りごと別ガイド」で、困りごとに共通する5つのルールと早見表をまとめています。


「ツール同士をつなぎたい」という相談は26件。中身は3つの型に分かれる

ホリエモンAI学校では、受講企業の社員の方に「困りごとリスト」を書いてもらっています。集まった1,705件を似たもの同士でまとめると、「ツール・システム間でデータを自動連携・自動入力したい」は26件で、98種類の困りごとの中で15番目に多いものでした。

26件を一つずつ読み、私たちが「何と何を、どうつなぎたいのか」で分けると、次の3つになります。

つなぎたいことの型件数実際に書かれていた声(例)
① 入ってきた情報を、台帳やツールに取り込みたい9件問い合わせをシートへ自動で記録したい/特定の受信メールをTODOへ自動追加したい/申込とソフトを連携させたい/日報を別ツールへ入れ直している/問い合わせ先をニュースレターに登録したい
② システム同士でデータを受け渡したい8件システム間の登録情報を連携したい/取引先CSVを基幹システムへ自動取込したい/業務システムをGoogleに連携したい/カレンダー同士を連携させたい/倉庫との連携手順を減らしたい
③ 1つの出来事から、後に続く作業を連鎖させたい9件ブログ更新をSNSに自動連携したい/請求書の取得から送付まで自動化したい/契約後の初期設定が手作業/案内送付・再案内を自動化したい/スケジュール表の更新を自動化したい

出典:ホリエモンAI学校の受講企業が記入した困りごとリスト(1,705件を98種類にまとめた社内集計、2026年10月時点)。分け方は筆者によるものです。

3つに共通しているのは、今は人がツールとツールの間に立って、片方の画面を見ながらもう片方に打ち込んでいることです。どの型でも考え方は同じですが、②の「システム同士」は、相手のシステムにAPIがあるかどうかで使える方法が変わるので、自社の困りごとがどの型に当たるかを先に確かめてください。


四角と矢印に分解すると、問題は「人が橋渡ししている1マス」

私は、困りごとはまず業務をワークフロー(四角と矢印の流れ)に分解してから解決します。ツール連携の相談も同じで、「何と何をつなぐか」より先に、今の流れを書き出します。受講企業の困りごとリストにもあった「申込フォームの内容を、顧客台帳・会計ソフト・チャットへそれぞれ手で入れ直している」会社なら、おおよそ次のようになります。

#今の作業よくある問題自動化した後
1お客様が申込フォームに入力する電話番号や会社名の書き方がばらばら入力欄の形式をそろえ、必須項目を決めておく
2担当者が回答を見て、顧客台帳に打ち込む打ち間違い。忙しい日は翌日に回る回答が届いたら、台帳に自動で1行追加される
3経理が台帳を見て、会計ソフトに取引先を登録する台帳と会計ソフトで社名の表記が食い違う台帳に追加された内容から、必要な項目だけ会計ソフトに自動登録される
4担当者がチャットで「申込がありました」と共有する共有を忘れ、営業が気づかない台帳に追加されたら、担当営業にチャットで自動で知らせる
5形式の合わない申込は、担当者が電話で確かめるどれを確かめたか分からなくなる形式が合わないものだけ、担当者に「要確認」として知らせる

書き出すと、手間の正体は2と3、つまり人が「橋」になって、片方のツールからもう片方へ情報を運んでいる1マスだと分かります。データ連携の自動化とは、この橋渡しの1マスを仕組みに置き換えることです。逆に言えば、書き出してみて橋渡しのマスが見つからない場合は、つなぐ必要のない作業だということもあります。


つなぐ前に決める4つのこと:正・きっかけと向き・項目の対応・失敗したとき

ツール連携でつまずく会社の多くは、連携サービスの設定画面から始めています。先に次の4つを1枚の表に書いてから組むと、作り直しが大きく減ります。

決めること決め方例(申込フォーム→顧客台帳→会計ソフト)
正(どのデータを元にするか)同じ情報が2か所にあるとき、食い違ったらどちらを信じるかを1つに決める。直すのは必ず「正」の側だけにするお客様の情報は顧客台帳が正。会計ソフトの取引先名は台帳から流すだけで、会計ソフト側では直さない
きっかけと向き(いつ・どちらへ流すか)「何が起きたら」流すのかと、流れる向きを決める。両方向に流すのは、どうしても必要な場合だけにするフォームに回答が届いたら台帳へ。台帳に行が増えたら会計ソフトへ。逆向きには流さない
項目の対応(どの欄をどの欄へ)片方の項目が、もう片方のどの項目に入るかを表にする。片方にしかない項目、書き方が違う項目に印を付けるフォームの「お名前」1欄→台帳の「姓」「名」2欄。会社名の「株式会社」の位置をそろえる
失敗したとき(重複・空欄・エラー)同じ申込が2回届いたとき、必須項目が空のとき、相手のツールが止まっていたときに、どうするかと誰に知らせるかを決めるメールアドレスが同じなら新しい行を作らず更新する。空欄があれば登録せず担当者に知らせる

4つのうち一番大事なのは「正」です。正を決めずに両方のツールで直せるようにすると、どちらが新しい情報なのか分からなくなり、結局人が見比べる作業が戻ってきます。同じ内容を複数の台帳に入れている状態そのものを減らしたい場合は、つなぐより先に、台帳を1つにまとめられないかを考えるほうが早いこともあります。


つなぎ方は4段階。上から順に、手間の少ない方法で足りるかを確かめる

ツール同士をつなぐ方法は、大きく4つあります。上ほど手軽で壊れにくく、下ほど自由が利く代わりに作る手間と直す手間がかかります。上の方法で足りるなら、それが一番です。

つなぎ方どんなときに使うか例
① ツールに最初からある連携機能つなぎたい2つのツールの間に、設定画面から選ぶだけの連携が用意されているときGoogleフォームの回答をGoogleスプレッドシートに自動で記録する/予約システムとカレンダーを連携の設定でつなぐ
② ワークフロー自動化ツール標準の連携がない、または「台帳へ→会計ソフトへ→チャットへ」のように3つ以上を順番につなぎたいときMicrosoft 365の会社ならPower Automate、さまざまなクラウドサービスを使う会社ならZapier・Make・n8nなど
③ APIをつなぐ小さなプログラム②に必要な部品がない、条件が複雑で②では組みにくいとき。今はコーディングエージェント(Claude Codeなど)にプログラムを書かせられる業務システムのAPIからデータを取り出し、形を整えて別のシステムのAPIへ登録する
④ 画面操作の自動化(RPA)・ファイルの受け渡し相手のシステムにAPIがなく、画面からしか入力できない古いシステムのときRPAで画面に入力する/システムから出したCSVファイルを決まった形に直して、もう片方に取り込む

私たちの会社でも、この順番で考えています。コラムを公開したあとの社内チャットへの知らせは、チャットツールに用意されている標準の連携で送れました。一方、X(旧Twitter)への予約投稿は、決まった時刻に自動で動く仕組みの中では標準の連携が使えなかったため、投稿サービスのAPIを直接呼ぶ短いプログラムをコーディングエージェントで作って解決しました。「標準の部品で足りるところは部品で、足りないところだけプログラムで」と分けると、作る量も、あとで直す量も少なくて済みます。

④の画面操作の自動化は、相手の画面の配置が変わると止まりやすい方法です。業務システムを入れ替える予定があるなら、その際にAPIやデータの書き出し機能があるかを選ぶ条件に入れておくと、あとの連携がずっと楽になります。


3つの解決策のどれを使うかは「頻度・判断・派閥」で決める

業務を自動化する方法は、ワークフロー自動化ツール、AIエージェント、コーディングエージェントで自社専用のツールを作る、の3つです。どれを選ぶかは、その作業をどのくらいの頻度でくり返すか、途中で人の判断が要るか、会社がどの会社の道具を使っているか(派閥)で決めます。私の考えでは、AIは判断が必要なときに使うもので、判断の要らない作業はワークフロー自動化ツールで十分です。決まった項目を決まった場所へ運ぶデータ連携は、多くがこの「判断の要らない作業」です。

つなぎたい作業頻度と判断向いている解決策
フォームの回答を台帳に入れる。台帳に増えた行を会計ソフトやチャットへ流す毎日くり返す。決まった項目を運ぶだけで判断は要らない標準の連携機能か、ワークフロー自動化(AIは使わない)
取引先ごとに書き方の違うメールや注文書から、品名・数量・納期を読み取って台帳に入れる毎日くり返す。書式がそろっていないので読み取る判断があるワークフロー自動化の途中に、AIで項目を読み取る工程を1つだけ挟む。読み取りに自信のないものは人が確かめる
古い台帳の数千件を、新しいシステムの項目に合わせて整え直して移す最初の1回だけAIエージェントに1回やらせ、結果を人が抜き取りで確かめる
APIしかない業務システムと会計ソフトの間で、条件の多いデータを毎日受け渡す毎日くり返す。標準の部品では組めないコーディングエージェントで、つなぐためのプログラムを自社用に作る

派閥は、どのつなぎ方が使えるかにも直結します。Microsoft 365を全社で使っている会社なら、OutlookやForms、Excel、Teamsの間はPower Automateで、Microsoftの製品の中だけでつなげます。会社によっては、情報漏えいを防ぐために外部のサービスとのAPI接続やワークフロー自動化を禁止し、Microsoftの内側だけで仕事をする選択もあります。その場合、外のサービスとつなぐ連携は最初から選択肢に入りません。つなぎ方を考える前に、自社のセキュリティのルールで「外のサービスとつないでよいか」を確かめてください。

📌「何かが届いたら担当者に知らせる」通知の自動化は「期限・フォーム回答・メールの自動通知を仕組みにする方法」で、組む前に決める5つのことと一緒に解説しています。


連携が止まる・データが崩れる3つの落とし穴

データ連携は、一度組むと人が見なくなる仕組みです。そのぶん、止まったり崩れたりしても気づきにくいので、組むときに次の3つを避けておきます。

  1. 同じデータが二重に登録される:申込の再送信や、連携のやり直しで同じ行が2つできることがあります。メールアドレスや注文番号など「これが同じなら同じお客様・同じ注文」とみなす項目を決め、あれば新しく作らずに更新する形にします。
  2. 片方の項目を変えたら、連携が黙って止まる:フォームの質問を1つ足した、台帳の列の名前を変えた、といった小さな変更で、項目の対応がずれて止まることがあります。項目の対応表を残し、項目を変えるときは連携の担当者に一声かけるルールにします。
  3. 作った人のアカウントでつないでいて、異動や退職で止まる:連携サービスに個人のアカウントでログインしてつなぐと、その人のパスワード変更や退職で全部が止まります。会社として管理するアカウントでつなぎ、何と何をつないでいるかの一覧を残しておきます。

そのうえで、連携に失敗したときは担当者に知らせが届くようにしておきます。多くのワークフロー自動化ツールには、処理が失敗したときに知らせる設定があります。月に1回、テスト用の申込を1件送って、最後まで流れるかを確かめる日を決めておくとより安心です。

📌つなぐ相手が紙やPDFの書類で、そもそもデータになっていない場合は「手書き・紙の書類のデータ入力をAIで減らす方法」へ


システム間の入力を自動化した公開事例

以下は他の組織が公開している事例で、ホリエモンAI学校の受講企業の事例ではありません。どちらも、APIでつなげない業務システムに対して、画面操作の自動化(上の④)で入力を自動にしている点に注目してください。

  • 東京都渋谷区(公開事例・RPAによる定型作業の自動化):申請書の処理や他の自治体とのデータのやり取りなど事務作業が多く、強固なセキュリティ環境で使えるRPAが必要だった。各課で業務を洗い出し、12課の21業務をRPAで自動化し、年間2,300時間の削減につながったと紹介されています(出典:ソフトバンク導入事例「渋谷区」、2021年7月、ベンダー掲載の導入事例)。
  • 岩手県久慈市(公開事例・紙の電子化とシステム入力の自動化):職員数が減るなかで住民サービスの質を保つ必要があった。AI-OCRで紙の帳票をデータにし、RPAでシステムへの入力を自動化。申請書の内容のシステム入力やアンケートの集計などで、作業時間が月あたり約8割減ったと紹介されています(出典:NTT東日本 導入事例「久慈市」、2026年4月1日更新、ベンダー掲載の導入事例)。

渋谷区の例で、ツールを入れる前に「各課で業務を洗い出した」と書かれている点は大事です。どの業務を、どのシステムからどのシステムへつなぐかを先に書き出したからこそ、21業務に絞って自動化できています。


最初の1週間でやること

  1. 1日目:「同じ情報を2回以上入力している作業」を5つ書き出し、上の①〜③のどの型に当たるかを付けます。
  2. 2日目:一番手間のかかっているものを1つ選び、今の流れを四角と矢印で書きます。人が橋渡しをしているマスに印を付けます。
  3. 3日目:正・きっかけと向き・項目の対応・失敗したとき、の4つを表に書きます。正が決まらなければ、つなぐより先にそれを決めます。
  4. 4日目:つなぎたいツールの設定画面と公式の案内で、標準の連携があるか、APIがあるかを確かめ、4段階のどれで組むかを決めます。社内のセキュリティのルールも確かめます。
  5. 5日目以降:テスト用のデータで1週間動かし、重複・空欄・表記の食い違いが出ないかを見ます。うまく回ったら、書き出した5つの残りに広げます。

ツール・システム間のデータ連携についてよくある質問

プログラミングができなくても、ツール同士をつなげますか?

つなげます。ツールに最初からある連携機能や、Power Automate・Zapierなどのワークフロー自動化ツールは、画面で部品を選んで組み立てる形なので、プログラムを書かずに使えます。それで足りない場合も、今はコーディングエージェントにやりたいことを日本語で伝えて、つなぐためのプログラムを書かせることができます。

データ連携にAIは必要ですか?

多くの場合は必要ありません。決まった項目を決まった場所へ運ぶだけなら、判断が要らないので、標準の連携機能やワークフロー自動化ツールで足ります。AIが役に立つのは、取引先ごとに書き方の違うメールや注文書から必要な項目を読み取るなど、中身を読んで判断する工程があるときです。

APIがない古い業務システムともつなげますか?

方法はあります。システムからCSVなどのファイルを書き出せるなら、そのファイルを決まった形に直して取り込む流れを自動にできます。画面からしか入力できない場合は、RPAで画面操作を自動にする方法があります。ただし画面の配置が変わると止まりやすいので、止まったときに気づける仕組みとセットで使ってください。


まとめ:つなぐ前に「正」を決め、手間の少ないつなぎ方から試す

同じ情報をツールごとに入れ直す手間の正体は、人がツールとツールの橋渡しをしている1マスです。その1マスを仕組みに置き換える前に、どのデータを正とするか、何をきっかけにどちらへ流すか、項目をどう対応させるか、失敗したらどうするかの4つを決めます。そのうえで、標準の連携機能、ワークフロー自動化ツール、APIをつなぐプログラム、画面操作の自動化の順に、手間の少ない方法で足りるかを確かめれば、多くはAIを使わずに自動化できます。

「ツールが増えるたびに入力の手間が増えている」「つなぎたいが、うちのシステムで何ができるのか分からない」という状況なら、今の流れを一緒に四角と矢印に書き出し、どこをどの方法でつなぐかを決めるところから進められます。今のツールの設定を変えるだけで済む場合は、その旨を正直にお伝えします。

▶ ホリエモンAI学校の法人プランを見る

◤ 法人向け無料相談はこちら ◢