【2026年最新】ChatGPTの情報漏えい対策|会社で使うときの5つの漏れ道と、管理者が確認する設定チェックリスト

この記事は、「ChatGPTに社内の情報を入れたら漏れるのではないか」と心配で、社員への利用許可を出せずにいる、または出したものの何を確認すればいいか分からない中小企業の社長・総務担当の困りごとを解決するために、私がこれまで400社・4,000人の研修で見てきたことをまとめたものです。

結論:ChatGPTから会社の情報が漏れる道は「入力が学習に使われる」だけではなく、①学習、②共有リンク、③外部アプリとの連携、④アカウントの乗っ取り・退職者のアカウント、⑤AIの答えをそのまま社外に出すこと、の5つです。法人プラン(ChatGPT Business)で①はほぼ塞がりますが、②〜⑤は設定と運用で塞ぐ必要があります。この5つを順に確認すれば、情報システムの担当者がいない会社でも、必要以上に怖がらずに使い始められます。

📌個人アカウントで仕事をしている社員がいる場合の切り替え方は「ChatGPTの法人と個人の違い|個人アカウントの業務利用のリスク3つ」、入れてよい情報のルールの作り方は「生成AIの社内ルール(ガイドライン)の作り方」で解説しています。この記事は、会社のアカウントで使うときに「どこから漏れるか」と「何を設定・確認するか」に絞っています。


情報漏えいが怖くて止まっている会社へ、最初に伝えていること

研修や面談で「漏えいが怖いから、うちはまだAIは早い」という相談をよく受けます。そのとき私が最初にお伝えするのは、漏れるとしたら、その多くはAIのせいではないということです。ソフトを更新していない、セキュリティのアップデートをしていない、情報システムの担当者がいない、といった、AIが出てくる前からある一般的な管理の問題が原因になります。

そのうえで、どこまで守りたいかで使う環境を選びます。私は安全度の高い順に、「社内のパソコンやサーバーの中だけで動くAI(ローカルLLM)」「Microsoftの環境の中だけで使い、外部との連携も禁止する」「ChatGPTなどのクラウドのAIを法人プランで使う」の3段階で考えています。患者情報を扱う医療機関のように外に出せない情報が中心の会社でなければ、多くの中小企業は3番目で十分です。この記事では、その3番目を選んだ会社が、どこを塞げばいいかを説明します。


ChatGPTから情報が漏れる5つの道と、塞ぎ方

「漏えい対策」と聞くと、入力した内容がAIの学習に使われることだけを心配する方が多いのですが、実際に気をつける道は5つあります。全体像を先に表にまとめます。

漏れる道起きること塞ぎ方
① 学習入力した会話が、AIの改善(学習)に使われる法人プランを使う。個人アカウントの業務利用を禁止する
② 共有リンク会話をリンクで共有し、そのリンクが想定外の人に渡る共有リンクの使い方を決め、月1回、不要なリンクを削除する
③ 外部アプリとの連携Googleドライブなどとつないだ結果、見せるつもりのない資料までAIから見える使ってよい連携だけを管理者が許可する
④ アカウントパスワードの使い回しで乗っ取られる。退職者のアカウントが残る二段階認証(多要素認証)を必須にする。退職時にワークスペースから外す
⑤ 答えの持ち出しAIの答えに、別の顧客の情報や事実と違う内容が混ざったまま社外に出る社外に出す前に人が読む、を規定に入れる

① 学習:法人プランなら初期設定で使われない

OpenAIは、ChatGPT Business・Enterpriseで入力した業務データを、初期設定ではモデルの学習に使わないと案内しています。一方、個人向けの無料版・Plus・Proは、初期設定で会話が学習に使われる設定になっており、オフにするかどうかは本人次第です(出典:OpenAIヘルプセンターのデータの扱いに関する案内、2026年11月3日確認)。つまり①は「会社のアカウントだけを使う」と決めれば、ほぼ塞がります。逆に、法人プランを契約しても、社員が慣れた個人アカウントで仕事を続けていれば、ここは開いたままです。

② 共有リンク:見落とされやすい漏れ道

ChatGPTには、会話をリンクにして他の人に見せる機能があります。OpenAIの案内では、ChatGPT Businessで作った共有リンクは同じワークスペースの人しか開けず、外部の人が開いても中身は見えません(出典:OpenAIヘルプセンター 共有リンクのよくある質問(Business版))。ただし、会社全体で共有機能を止める管理者向けの設定はEnterprise向けで、Businessでは各自が作ったリンクを各自で管理することになります。

そこで、社内では「共有リンクは社内の人に見せるときだけ使う」「社外の人には、会話のリンクではなく、人が読んで直した文章を送る」と決めておきます。作ったリンクは、設定のデータコントロールにある共有リンクの管理画面から一覧で確認・削除できるので、月1回、各自で不要なリンクを消す日を決めておくと安心です。

③ 外部アプリとの連携:つなぐほど、見える範囲が広がる

ChatGPTは、Googleドライブなどの外部サービスとつないで、社内の資料を読ませることができます(OpenAIは2025年12月に「コネクタ」を「アプリ」という名前に変えています)。便利な反面、つないだ人が見られる資料は、AIからも見えるようになります。共有フォルダの権限が「全社員が全部見られる」状態のままつなぐと、本来は一部の人しか見ない給与表や契約書まで、質問の答えに出てくることがあります。

OpenAIの案内では、Businessの管理者は、ワークスペースの設定から使ってよいアプリを選べます(出典:OpenAIヘルプセンター アプリ(旧コネクタ)の管理者向け設定)。初期状態で使えるようになっているものもあるため、契約したら一度開き、「今使う業務があるものだけ許可、ほかは止める」にしておきます。つなぐ前に、つなぐ側の共有フォルダの権限を見直すことも忘れないでください。

④ アカウント:乗っ取りと、辞めた人のアカウント

AIが原因に見える漏えいでも、実際はパスワードの使い回しによる乗っ取りであることがあります。ChatGPTは、設定のセキュリティから二段階認証(多要素認証)をオンにできます。会社のルールとして全員にオンにしてもらい、最初の講習の場でその場で設定してもらうのが確実です。

もう1つは退職者です。会社のアカウントは、管理者がワークスペースから外せば使えなくなります。入社・退職の手続き表に「ChatGPTのワークスペースから外す」の1行を加えておけば、辞めた人が会社の会話を見続ける状態を防げます。

⑤ 答えの持ち出し:最後に人が読む

最後の道は、AIの答えをそのまま社外に出してしまうことです。別のお客様向けに作った文章の一部や、事実と違う数字が混ざったまま、メールや見積の説明文として送られることがあります。これは設定では防げないので、「社外に出す文章は、必ず担当者が読んで直してから送る」を社内ルールと職務規定に入れておきます。


管理者が確認する設定チェックリスト

情報システムの担当者がいない会社でも、総務の方が次の7つを確認すれば、最低限の対策はそろいます。契約した日に一度、その後は月1回見直してください。

  1. 会社のアカウント(ChatGPT Businessなど)を契約し、業務では会社のアカウントだけを使うと社内に周知した
  2. 個人アカウントでの業務利用を、職務規定で禁止した
  3. 全員が二段階認証(多要素認証)をオンにしたことを確認した
  4. ワークスペースの設定で、使ってよい外部アプリだけを許可した
  5. 外部アプリとつなぐ共有フォルダの見られる範囲を見直した
  6. 共有リンクの使い方(社内のみ)を決め、月1回の削除日を決めた
  7. 入社・退職の手続き表に、ワークスペースへの追加・削除を加えた

あわせて、どの情報を入れてよいかを、書類の名前で具体的に示したA4用紙1枚のルールを配り、短いセキュリティ講習をセットで行います。ガイドラインのひな形は東京都などの公的機関が公開しているので、ゼロから作る必要はありません。

📌契約後の初期設定(メンバーの役割・退職時の手順・共有範囲)は「ChatGPT Businessの使い方|契約後に管理者がやる3つの設定」へ


もし入れてはいけない情報を入れてしまったら

ルールを作っても、うっかりは起きます。そのときに隠されないよう、「報告した人を責めない」と先に決めておくことが一番の対策です。報告を受けたら、次の順に動きます。

  1. いつ、誰が、どのアカウントに、何を入れたかを書き留める(個人アカウントか会社のアカウントかで、その後の対応が変わります)
  2. 共有リンクを作っていれば削除し、会話も削除する
  3. 外部アプリとつないでいた場合は、つないだ範囲を確認し、不要なら連携を外す
  4. お客様の個人情報が含まれていた場合は、個人情報保護委員会の案内に沿って、報告や本人への通知が必要かを確認する(個人情報保護委員会「漏えい等の対応とお役立ち資料」)
  5. 同じことが起きないよう、ルールの書き方や講習の内容を直す

対策のゴールは「安全に使う」ではなく、困りごとの解決

ここまでの対策は、あくまで土台です。漏えいを防いでも、配ったChatGPTが使われなければ業務は何も変わりません。私自身、1日の仕事でChatGPTを使う割合は1%もないと思います。AI活用とChatGPT活用は同じではありません。

ホリエモンAI学校では、業務を四角と矢印で書き出し、困りごとを5つ挙げたうえで、「ワークフロー自動化」「AIエージェント」「コーディングエージェントで作る自社ツール」の3つから解決策を選びます。どこまでつないでよいかは、その会社のセキュリティの決まりがどれだけ厳しいかで変わります。外部との連携を禁止している会社なら、AIを使わないワークフロー自動化だけでも、多くの業務は自動化できます。「何を禁止するか」と「どの困りごとから解決するか」を、同じタイミングで決めておくのがおすすめです。


ChatGPTの情報漏えい対策についてよくある質問

ChatGPTの無料版に社内の情報を入れても大丈夫ですか?

おすすめしません。無料版などの個人向けプランは、初期設定で会話が学習に使われる設定になっており、オフにしているかを会社が確かめられないからです。業務で使うなら、初期設定で学習に使わない法人プランに切り替えてください。

ChatGPT Businessなら、何を入れても漏れませんか?

学習に使われる心配はほぼなくなりますが、共有リンク、外部アプリとの連携、アカウントの乗っ取り、答えの持ち出しといった道は残ります。この記事のチェックリストで設定と運用を確認し、入れてよい情報の範囲も社内ルールで決めておいてください。

一時チャットを使えば安全ですか?

一時チャットは履歴に残らず、学習にも使われない機能ですが、OpenAIは安全確認のために一定期間保存することがあると案内しています。また、社員一人ひとりが毎回選ぶ必要があるため、会社としての対策にはなりません。会社のアカウントとルールで守るのが基本です。

📌ChatGPTの料金と、無料版を業務で使わないほうがいい理由は「ChatGPT有料プランの料金|法人Businessは1人月3,050円から」へ


まとめ:漏れる道を5つに分ければ、必要以上に怖がらずに済む

ChatGPTの情報漏えいは、学習、共有リンク、外部アプリとの連携、アカウント、答えの持ち出しの5つの道に分けて考えると、何をすればいいかがはっきりします。法人プランで学習の道を塞ぎ、残りの4つは管理者の設定チェックリストと、社外に出す前に人が読むルールで塞いでください。そして、漏えいが起きる多くの原因はAIではなく、昔からある一般的な管理の問題です。

「漏えいが心配で、AIの利用許可を出せずにいる」「使い始めたものの、どこまで連携してよいか判断がつかない」という状況なら、会社のセキュリティの決まりに合わせて、どの業務から解決するかの整理からご一緒できます。自社でできる部分は自社で進められるよう、正直にお伝えします。

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